「あの日は仕事中でしたが、職場でネット観戦していました。同僚も遠巻きにそっとしておいてくれまして(笑)。有利に見えた最終盤では『早く終わってくれ』という気持ちでした」
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10月8日、囲碁界に「史上最年少タイトルホルダー」が誕生した。張栩名人を破った19歳11カ月の芝野虎丸新名人。井山裕太四冠(30)が持っていた20歳4カ月という記録を更新した。快挙を振り返るのは、父親の登志也さん(46)だ。
お隣の将棋界で藤井聡太七段(17)が最年少タイトル記録を更新できるかが注目を集める中、先んじて歴史を塗り替えた芝野新名人。2014年、14歳でプロ入りし、翌年には勝率第一位賞を獲得。早くから次代を担う逸材と目されてきた。観戦記者の内藤由起子氏が語る。
「リスクを恐れずに強く踏み込む棋風。普段の研究ではAIを頼らないと公言していますが、対局ではAIが示す候補手との一致率が非常に高い。つまり、恐ろしく正確に打っているということです。
盤に石を置く際に『パチッ』と音が鳴らないよう静かに置いたり、対局中のおやつは相手が中座した時に口にするなど、礼儀正しい人柄。お母様が作ったお弁当を持参して食べています。トマトとピーマンが苦手のようです(笑)」
新名人の家族構成は?
新名人は神奈川県出身の6人家族。きょうだいは東大大学院に通う姉、東京理科大の学生で囲碁棋士の兄・龍之介二段(21)、高校生で囲碁アマチュア強豪の妹という英才揃いだ。
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source : 週刊文春 2019年10月24日号