「転職は30代まで」という常識はもう古い。近年、企業の正社員採用年齢は上昇中。加えて、今年は「65歳定年」が義務化される。60歳を超えて働き続けることが当たり前の今、女性が模索すべき第2、第3のキャリアとは。
山下麻衣さん(仮名)は、新卒で大手電機メーカーに入社して20年余り。今年45歳になる。
「数年のうちに課長になれなければその先はなく、飼い殺しされると思った時、初めて転職を意識しました」(山下さん)
社員が転職を考える3大理由は、「給与が低い」「仕事に不満」「職場の人間関係」だが、近年は“先行きの不透明さ”がきっかけになることも多いという。
今年4月、企業に対し、希望者全員を65歳まで雇用することが完全義務化される。70歳までの雇用は「努力義務」にとどまっているが、早晩、義務化は確実だ。
少子高齢化と人口減少が進む中、その目的を国はこう説明している。
〈経済社会の活力を維持するため、働く意欲がある高年齢者がその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境の整備〉
実際に女性の健康寿命は75・5歳まで伸び(22年の推計)、高齢者の働く意欲は高まっている。
「もう1つの目的は、年金等の国の財政負担が増しているため、高齢者に働いてもらって負担を軽減することです」(経済部記者)
だが、定年延長は逆に先行き不安を生じさせる。
大企業では、50歳を過ぎると役職定年を迎え、給料も立場も下がって意欲低下に見舞われる。60歳を過ぎれば嘱託雇用となり給料はさらに下がる。そして65歳以降も就労を希望した時、新たに探すことになるが、そこから探し始めても難しい。
こうした先行きを考えれば、転職が頭をよぎる。ミドル女性の転職事情を取材した。

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source : 週刊文春WOMAN 2025春号