更年期を過ぎたら女じゃなくなる、という強迫観念を抱えながらその時を迎えたけれど、崖だと聞いていた場所は新しい大地につながっていた。ならば枯れるのではなく、新天地でもう一度開花すればいい。閉経後の人生を歩くための、8つの道しるべ。

なぜ「49歳がいちばん不幸」と思う人が多いのか?

 世界規模で行われた幸福度調査やいくつかの幸福学研究が、「一番不幸を感じる年齢」を奇しくもみな一様に“47歳から49歳”と伝えている。しかもこれは平均値というよりリアルな不幸年齢、きっと思い当たるはずなのだ。私自身の場合も、まさに49歳。50代を目前にした時のあの不幸感、今もまざまざ思い出されるほどなのだから。

 まず単純に、50代から先がどんな世界になっているのか、全く分からないからこそ暗闇すぎて、意味なく怖かった。ましてや私の更年期は今から20年近く前のこと、50代はもっと高齢者なイメージで、だから尚更未来は暗かったのだ。

 言い換えるなら、「50代で転職しよう」と思い立つような時代ではなかったわけで、むしろ仕事においても、自分の限界が見えてしまうことで落胆や虚無感も生まれてくる年齢。それらが綯交(ないま)ぜになって“老いること”への漠然とした恐怖となったのだ。50という数字はやっぱり重く、40代までとは明らかにフェーズが変わるのである。

 そして後から気がついたのは、この頃ちょうど更年期に差しかかっていたこと。更年期症状もちゃんとあったのに、正直、当時は全く気づかなかった。ひたすら50代を目前にした重圧のせいだと思い込んでいた。でも実はそこに更年期障害の1つである不安や落ち込み、ある種のうつ症状というものが、深く関係していたのだ。

 

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source : 週刊文春WOMAN 2025春号