行方不明だった父が変わり果てた姿で見つかった。そして、その事実がもたらす現実の動きが木嶋を決定的に変えていく。なぜ彼女は一線を越えられたのか、原点に迫り切る。
■連載「ウェンカムイ 死刑囚・木嶋佳苗の生痕」
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2005年9月6日。信武(仮名)の遺体が別海から遠く離れた知床半島の羅臼で発見されたのは、行方不明になってから約2週間後のことだった。
発見者は番屋と言われる漁師小屋に通う中年の女性だった。

細い坂道を下りきって入り江の番屋に着いた女性は、ふと目を上げて、「まるで丸めたティッシュペーパーのような」白いものが崖の中腹にあることに気づいた。壊れた白い乗用車だとわかり、女性はすぐに警察に通報した。
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source : 週刊文春 2025年4月10日号