今年3月下旬、普段であれば塾の授業の時間である夕刻に高校生の男女数百人がホテルの大広間に集まっていた。京王プラザホテル5階のコンコードボールルーム。ジンジャーエールを片手に笑みを浮かべる参加者は、毎年500人近い東大合格者を輩出する「鉄緑会」を“卒業”する高校3年生だ。参加費は無料。卒業生には記念品のクオーツ社製の透明ガラスの置き時計が配られる。毎年、未来のエリートがガラスの置き時計を片手にこの場所から東大へと巣立っていく。

 

 最高学府の東大において最難関とされる理科三類。その“大学受験最高峰”に定員100人中44人の合格者を送り込んでいるのが「鉄緑会」の代々木校だ。塾のホームページを見てみると、どのような指導が行われるか詳細は記されていない。「東大受験指導専門塾」はなぜ無類の進学実績を誇るのか? 週刊文春はベールに包まれた実態を調査。取材を申し込むと、現役講師である英語科主任の三木秀則氏が取材に応じた。(全2回の第2回)

 

★第1回はこちら

 前回の記事で取り上げた鉄緑会のカリキュラムの2本柱である英語と数学。数学と同様、英語も先取り学習やパターンを身につけるメソッドが特徴だ。

 英語科主任の三木秀則氏はこう説明する。

インタビューに応じた三木秀則英語科主任 ©︎文藝春秋

「ざっくり言うと、中1と中2で中学英文法を2周。中3で高校の英文法、高1でもう1周。高2はさらに深い内容をやり、高3は演習だけですね。中学まではオリジナル問題。高校になると英文の質が上がり、日本語で読んでも難しいような抽象度の高いものを扱います」

 筑駒卒の文系OBもこう証言する。

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source : 週刊文春 電子版オリジナル