普段、あまり意識することのない水分補給。だが、体内の水分が減ると認知症の発症リスクが上がるなど、悪影響が大きいという。そこで、高齢者に常飲して欲しいドリンクや控えて欲しい飲み方などを下方教授に聞いた。

 

●水分摂取目標は一日2ℓ

●常温、冷水、白湯ベストは?

●朝の緑茶、昼のココア、夜のほうじ茶が最強

 

◾️下方浩史教授の「90歳まで健康長寿」

#1 血管を柔らかくする

#2 魚で骨と血管を守る

#3 70歳から毎日肉食のすすめ

#4 完全なる朝食とは?

#5 骨を鍛える

#6 野菜で血圧を下げる

#7 米で血糖値スパイクを防ぐ

#8 今回はこちら

「人間の体は体重の約60%が、血液や体液などの水分で構成されています。ところが、シニアは体内の水分量が減って50〜55%になるとされます。その上、喉の渇きをあまり感じないため、脱水症を起こしやすいのです」

 こう水分の必要性を訴えるのは、老年科専門医で、名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科の下方浩史教授だ。40年以上に渡って、老年病(高血圧症や糖尿病、動脈硬化などを指す)の研究を続けてきた。

 高齢者が正しく水分補給できないと脱水症を引き起こして、重大な疾患の発症リスクが上がるという。

「脱水症を起こすと、血流が悪くなります。いわゆる“ドロドロ血”になってしまう。すると、血の塊によって血管が詰まる血栓症のリスクが増大するのです。血栓症は脳卒中や心筋梗塞の原因になり、突然死の恐れが出てくる。さらに、脳への血の流れも悪くなって認知機能が低下し、認知症の発症リスクも上がってしまうのです。水分を適切に摂ることは、認知症予防の観点から極めて重要だといえます」

 

 そこで、「90歳まで健康長寿」を目指す高齢者のための水分の摂取方法を紹介していこう。

 下方教授は、まず、高齢者の脱水症は屋外より屋内のほうが危険度が高いことを知って欲しいと話す。

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source : 週刊文春 2025年4月24日号