新年度が始まり、新入社員の姿が街の至る所で見かけられる4月。早くも大盛況なのが「退職代行」だ。その最大手として急成長を遂げている「モームリ」で、従業員が次々と逃げ出す事態が起こっている。

退職代行が人気を博している。経済誌記者の解説。
「本人に代わり退職の意思を会社に伝えてくれるサービスで、『自分で退職の連絡をしたくない』という若者世代にヒット。利用者の6割以上が20代というデータもあります」
最大手を謳うのが、株式会社アルバトロスが運営する「退職代行モームリ」だ。
「2022年に創業。正社員の退職代行は2万2000円、バイトなら1万2000円という安さが売りです。従業員は50名ほど。日テレ系『シューイチ』を始め、多くの情報番組で取り上げられ、退職件数は、わずか3年で3万件を突破した」(同前)
そんなモームリを率いるのは、創業者で社長の谷本慎二氏(36)だ。

「一部上場企業で10年間働き、退職した後は半年ほど、ブログ運営で稼いでいました。ドライブ中に『モームリ』というサービス名をふと思いついたことから、起業を決意した」(同前)
谷本氏には『社員が辞めない会社』をテーマにしたセミナー依頼が引きも切らない。退職代行の意義について、こう説明している。
〈(会社への)抑止力にはなると思います。退職代行を10件20件使われた会社があったら、これ以上使われたくないって思うじゃないですか。そうすると、何かしら改善しようとすると思う〉(「ABEMA Prime」より)
若者からの圧倒的支持で、急成長を遂げている同社だが、内部で重大な問題が持ち上がっている。元従業員のAさんが告発する。
「谷本社長のパワハラがひどい。毎日みんなの前で叱責されて……。あの会社で働くのはモームリでした。辞めた後はしばらく動けなくなり、死にたい、と思う日々が続きました」
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source : 週刊文春 2025年4月24日号