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人の体も心もすべてが商品化されていく資本主義の果てにあるのは何か。『22世紀の資本主義 やがてお金は絶滅する』(成田悠輔 文春新書 1000円+税)は、市場経済が先鋭化し、お金の価値が希薄化していく未来を展望したスケールの大きい本です。

太古の経済活動では交換や贈与のやりとりが、顔見知りばかりの小さな村落に閉じていました。貸し借りなどの経済活動は粘土や石の台帳に記され、記録も記憶も容易でした。しかし、記録が不可能なほど経済が大規模化し、台帳が手形やお金に進化していきます。お金が記録の代理としての役割を果たすようになったのです。その意味で、著者はお金とは「ありがとうの物質化であり、情報化であり、制度化」と指摘します。
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source : 週刊文春 2025年5月15日号