新財界総理は地味すぎる70歳 再び住友化学から選ばれた理由

THIS WEEK「経済」

森岡 英樹
ニュース 社会 経済 企業

経団連は5月10日、中西宏明会長(75=日立製作所会長)が退任し、後任に住友化学会長の十倉雅和氏(70)が就く人事を発表した。

「中西氏は昨年7月にリンパ腫の再発が判明し、抗がん剤治療を続けてきた。今年3月時点ではリンパ腫は寛解したと説明していましたが、4月に入り、再々発の恐れが判明したといいます」(日立関係者)

 妻の大反対に遭いながらも、緊急登板を決めたという十倉氏。東大経済学部出身で、74年に住友化学工業(当時)入社後は主に経営企画畑を歩んだ。

「00年頃から三井化学との経営統合を陣頭指揮しましたが、2年余りの交渉の末に決裂した。それでも社内では“米倉の秘蔵っ子”と呼ばれ、経団連会長だった米倉弘昌会長(当時)の指名で11年、社長に就任します」(経済部記者)

 社長時代は、円高や金融危機にあえぐ住友化学の構造改革に着手。8年間にわたって社長を務め、18年3月期には11年ぶりの過去最高益を叩き出したが、

「間接部門の人員削減や年金債務の圧縮、基礎化学品『エチレン』の国内生産停止などが中心で、“切り売り経営”が目立った。ただ、本人の役員報酬は1億円を超えていました」(同前)

 その十倉氏が座る“財界総理”の椅子。だが、売上高約8.7兆円の日立に比べ、住友化学は約2兆円に留まる。十倉氏も世間的には地味な存在。市場関係者からは「経団連の小粒化を象徴する人事」と厳しい声が出ているのも実情だ。

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source : 週刊文春 2021年5月27日号

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