ある経済官庁幹部は、小誌の取材にこう吐露した。
「現状、7月に五輪などやれるわけがない。小池(百合子)都知事にしろ菅(義偉)首相にしろ、こちらから『やめる』と言ってしまえばIOCからガッポリ金(損害賠償金)を取られるから言い出せないだけだ」
7月23日の開会式まで、約2カ月。
「3月20日に海外観客を受け入れない決定がなされたものの、国内観客の入場制限の判断は6月に先送りされました。ところが、今も菅首相は『IOCには逆らえない』と言っており、最低でも無観客、あわよくば“観客あり”開催を狙っています」(政治部記者)
だが東京五輪を「中止すべき」が59.7%(共同通信)、中止または延期が83%(朝日新聞)など厳しい数値も次々と報じられている。
実際に中止や延期とした場合、その収支はどうなるのか。検証してみた。第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏が算盤を弾く。
「開催年には1.7兆円のGDP押し上げ効果が期待されていました。ところが、海外客の受け入れを断念した時点でチケット代の他、インバウンド消費の宿泊、飲食、運輸などを含めた経済的損失は約1700億円。無観客開催の場合、経済効果は4000億円に留まるという試算があります。したがって、経済だけの視点から言うと、五輪はできるだけ先送りにして、海外客を受け入れる完全な形で開催するのがベストです」
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source : 週刊文春 2021年5月27日号