緊急事態宣言の最中、大関・朝乃山が足しげく通う闇営業のキャバクラ店。五月場所初日を2日後に控えた5月7日夜10時半、彼が待ち合わせしていたのは番記者だった。張り込みに気づいた番記者は小誌の車のドアをこじ開け――。
花街の面影が色濃く残る東京・神楽坂。緊急事態宣言中の5月7日金曜日、歓楽街の中ほどに黒色のタクシーがハザードランプを焚いて、ゆっくりと停車したのは夜の10時24分だった。車内に差し込む街灯の薄明りで、ひと際身体の大きな男性が後部座席に座っている様子が見える。
ところが男性は一向に車から降りようとしない。グレーのパーカーを着てフードを被った男性は、近くに停まっていた小誌取材班の車に気付いたようである。
そして次の瞬間、路上で警戒していた“仲間”の男性が取材班の車のドアをこじ開け、ドスを利かせた声で、こう凄んできたのだ。
「お前ら週刊誌だろ! こっちは素人じゃねぇんだよ」
脅し文句の真意は定かでないが、確かに彼らは素人ではない。タクシーに乗っている男性は、2日後に初日を迎える大相撲五月場所で土俵に立つ大関・朝乃山(27)なのである。そして取材班を恫喝した男も――。
2019年五月場所、平幕で初優勝を果たした朝乃山は富山県富山市の出身。同県出身の優勝力士は実に103年ぶりで、故郷を大いに沸かせた。
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source : 週刊文春 2021年5月27日号