長嶋茂雄さんの訃報に接し、日本中が悲しみに暮れています。追悼の意を込め、今なお忘れられない長嶋さんとの2度の対談を一部再掲載します。野球のこと、子供たちのことを語る長嶋さんの表情はいつもにこやかでした。
長嶋茂雄さんが当欄に初めて登場したのは1998年3月19日号、2度目の読売ジャイアンツ監督として6年目の春のことでした。松井秀喜・清原和博のMK砲に加え、大卒1年目の高橋由伸が加わり、前年4位に沈んだチームを再び上昇させようという気概に満ちた対談でした。

阿川 早速ですが、まず、注目の高橋選手はいかがですか。素人の私が見てても、柔らかい振りだなあって。ボールもきれいに飛んで行くし。
長嶋 柔らかいでしょう、体の使い方が。打球もけっこう伸びるんですよ。一言で言うと、プロらしい選手じゃないでしょうか。弱点がないんですよ。バッティングも守備もうまい。彼の一番の特長は、バッティングの柔らかさ、肩の強さ、守備範囲の広さと言われ続けているんですが、ああなってくると、持って生まれたセンスのよさってあたりにきちゃうんですよね。
阿川 天才肌。
長嶋 ええ、やっぱり天才肌でしょう。ですから、もう我々、キャンプ中は一切指導はしておりません。自由奔放に打たせておりました。
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source : 週刊文春 2025年6月19日号