高齢者の死因で上位に位置するのが肺炎だ。なかでも誤嚥性肺炎は、飲み込む力が弱まっているシニアには恐ろしい病気。誤嚥しないためのコツから、口や舌のトレーニング方法、食事の摂り方まで、下方教授の最新メソッド!
●ブロッコリーは茹でるな
●ブクブクうがいとゴロゴロうがいの効能
●食事中のおしゃべりが吉
●チョイ高枕と横向き寝のすすめ
◾️下方浩史教授の「90歳まで健康長寿」
初回 血管を柔らかくする
「誤嚥性肺炎はシニアの天敵ともいえる病気です。口の中の細菌が肺に入り込んで炎症を起こすことで発症します。罹患者の8割以上を占めるのが70歳を超えた高齢者です」
そう語るのは、老年科専門医で、名古屋学芸大学大学院栄養科学研究科の下方浩史教授である。これまで、40年以上に渡って老年病(高血圧症や糖尿病、動脈硬化などを指す)の研究を続けてきた。高齢者が誤嚥性肺炎を発症しやすい理由について話す。
「50代や60代でも誤嚥は起きますが、咳(咳反射)をしたりむせることで、気管に異物が入るのを防ぐことができる。ところが、シニアはそれらの反射が起きづらく、肺に異物が入りやすいのです」

厚生労働省「人口動態統計月報年計」(2024年)によれば、誤嚥性肺炎の死亡者数は、約64000人だった。
「加齢で神経の伝達が悪くなると、飲み込む感覚は鈍っていく。当然、舌やのどの筋肉も衰えています。だからこそ、早いうちから舌やのどを鍛えたほうがよいでしょう。それだけでなく、もし肺炎の原因となる細菌が入ってきても体が抵抗できるように、毎日の食事で免疫力を上げることも重要です」
そこで、「90歳まで健康長寿」を目指すシニアのために誤嚥性肺炎を防ぐ最新メソッドを紹介する。
まず、誤嚥性肺炎になるリスクが高い人について知っておきたい。
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source : 週刊文春 2025年6月19日号
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