屯田兵設立に情熱を傾けていた弥一郎を怒らせた“裏切り”とは?

 

【前回まで】開拓次官黒田清隆の誘いに応じて北の大地へとやってきた弥一郎は、同郷で同じ永山姓の永山武四郎らと屯田兵の設立へと動き出す。これまで語られてこなかった「2人の永山」の関係性も明らかになったが、それぞれが歩む道も分かれていく――本連載は西南戦争で散った永山弥一郎の生涯を掘り起こす「同時進行歴史ノンフィクション」である。

 札幌駅の東側を流れる創成川を渡り、北2条通をしばらく歩くと、緑に囲まれた和洋折衷の優雅な建築物が見えてくる。北海道指定有形文化財「旧永山武四郎邸」である。

 そこから西へ約1.5キロ、明治時代から官庁が並んだ北1条通を行くと、円形の庇が特徴的な北海道札幌方面中央警察署がある。北1条通を挟んでその向かいに、かつて「開拓大主典邸」があった。

 弥一郎は札幌勤務時代、ここに居住していたはずだ。

 今はコンビニになっている。

右奥が開拓大主典邸跡(筆者撮影)

 開拓使における2人の永山の邸宅跡は、見事なまでに対照的だ。

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source : 週刊文春 2025年6月26日号