暴力団組員であることを隠して山梨県内のホテルに宿泊したとして、警視庁暴力団対策課は9日、詐欺容疑で、指定暴力団住吉会の二次団体「二代目武州伊勢野一家」総長の田島和幸容疑者(53)、準暴力団「チャイニーズドラゴン」メンバーの白井加次郎容疑者(51)ら5人を逮捕した。ホテルには香港マフィア「14K」の関係者もいたという。
「白井は昨年9月、iPhoneの転売を巡って別の転売グループとトラブルになって店の営業を妨害した疑いで逮捕されていました。白井のスマートフォンを調べたところ、田島らが見知らぬ外国人と『盃事』をしている動画が見つかり、今回の逮捕につながりました」(警視庁担当記者)
盃事とは、義兄弟の契りを結ぶ儀式のこと。動画には、田島と14Kの関係者が盃を交わすなどして義兄弟の関係を結んだ様子が映されていた。その後の捜査で、山梨県内のホテルのレストランを貸し切りにして盃事を行ったことが判明したのだという。

盃事のような「儀式」をなぜ、山梨まで出向いてホテルのレストランで行ったのか。堅気には不思議に思えるが、最近の暴力団界隈では見慣れた光景だったようだ。
暴力団関係者が話す。
「盃事が行える広い事務所なんて今時はない。イベント会場を押さえたいが、暴力団排除条例が広がったことでそれも難しい。暴力団員の身分を隠し、レストランなどを貸し切りにして盃事を行う組が最近、チラホラ出ているのは事実だ」
さらに今回の事件が注目されるのは、聞き慣れない「14K」という香港マフィアとヤクザとの接点が炙り出されたからでもある。
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source : 週刊文春 2025年6月26日号