イスラエルが6月13日、イランを空爆した。これに対しイランは、イスラエルをミサイル攻撃するなど戦火は拡大している。
核施設などを狙ったイスラエルによる“奇襲”の目的の一つが、イランの軍事力を徹底的に破壊し、国内を混乱させることだった。革命防衛隊総司令官やイラン軍の参謀総長、核開発の科学者らを相次いで殺害。イスラエルの事情に詳しい関係者は「(イスラエルの対外諜報機関)モサドなくして、今回のようなピンポイントの攻撃は不可能だろう」と分析する。
では、今回のイラン攻撃はどのようにして可能になったのか。イスラエルであれば、米国との協力で衛星や高高度無人偵察機、盗聴などを使えれば「平時であれば、ターゲットの位置の8割は特定できる」(日本の元情報当局者)という。同時に「最後の2割が難しい」とも語る。要人や特別な施設であればあるほど、警戒は厳重になるためだ。

そこで重要になるのが「人間」である。情報当局者たちは「今回の作戦もイランの現地協力者がいないと、絶対に成功しない」と口をそろえる。
ある情報関係者は「ユダヤ人コミュニティーを起点に、イランの体制に不満を抱いている人間を探したのだろう」と推測する。
さらに今回は単純な暗殺工作ではなく、軍の航空機による爆撃という軍事作戦だった。米国防衛駐在官などを務めた引田淳元空将は「標的に正確に命中させるための精密誘導爆弾が必要になる」と語る。
レーザーを標的に照射したり、電波を発信する装置を標的近くに置いたりして誘導する必要がある。その際にも現地の協力者が必要になる。
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source : 週刊文春 2025年6月26日号