「読み終わったばかりで、ラフロイグで酔っているようにグルグルしています」

 稲垣吾郎さんは金原ひとみさんの新作『YABUNONAKA―ヤブノナカ―』について、開口一番こう語った。50代半ばの文芸誌元編集長の木戸は、8年ほど前の出版関係志望の大学生との関係を、性的搾取として告発される。正義感の強い40代の女性作家や、性行為中の動画でゆすられる30代の編集者など、多様な年代、立場の視点から、性や正義について描いた長編だ。

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source : 週刊文春WOMAN 2025夏号