ヤメ銀 絶滅時代のバンカーたちへ 最終回第8回「バンカーは人と人をつなげられる」

秋場 大輔
ニュース 社会 経済 企業 働き方

 地方経済の冷えこみは地銀の未来も不透明にしている。連載最後となる今回は元地銀のヤメ銀が語る銀行の役割と地方の可能性。絶滅時代であっても策はある。ヤメ銀たちはそのことを教えてくれる。

 

(あきばだいすけ 1966年、東京都生まれ。ジャーナリスト。慶應義塾大学経済学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。電機、証券、電力、商社、ゼネコンなど各業界を取材。編集委員などを経て2017年に独立。近著に『ライフシフト 10の成功例に学ぶ第2の人生』がある。)

 銀行が劇的な変化を求められる中、バンカーは変わらなければならない。しかし、どう変われば良いのか。本シリーズでは銀行を辞め、今は別の世界で活躍するヤメ銀の言葉を頼りに「バンカーの自画像」を描いてきた。「実は言われるほどバンカーの世間は広くない」「人を見る目があるようでない」「変化を恐れる傾向がある」「肩書を重視しすぎる」「老けるのが早い」。ヤメ銀たちはバンカーにまつわる定説を次々と覆した。

 しかしバンカーに「あなた達はこういう人種です」と言いっぱなしでは無責任だろう。バンカーにどんな可能性があるのかも示すべきだ。前回、「バンカーは正義の味方になれる」と書いたが、最後となる今回はさらに他の可能性も掘り下げてみたい。

 振り返ると、これまでの取材は大手銀行出身者に偏っていた。そう思い、地方銀行出身のヤメ銀の話を聞いてみた。超低金利の継続や地方経済の地盤沈下などを背景に、地銀の先行きにはかなりの不透明感が漂う。メガバンク以上に地銀バンカーの危機感は強いに違いない。

 武市智行(65)は、高知県に本店を置く四国銀行の出身で、ゲームソフト大手のスクウェア(現スクウェア・エニックス)の社長も務めた。現在はベンチャー企業の育成に携わる傍ら、「地方経済の発展なくして地銀の未来はない」という信念から、高知県IT・コンテンツ産業振興アドバイザーの活動をしている。

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source : 週刊文春 2021年6月3日号

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