「当院では東京都の要請に基づいて、医療従事者向けのワクチン接種を行っています。次に高齢者向けの接種を行うべく、先日、中央区保健所にオンラインで申請をしました。ところが、時間が経っても何の連絡も来ないため、5月20日に保健所に電話をしたところ、医師会所属のクリニックじゃないと認められない、との返答でした」
小誌の取材に「実名で構いません。現場の実態をぜひ報じてほしい」と憤るのは、「ヘルス・マネジメント・クリニック」(東京都中央区)院長の行松伸成氏だ。
「国の方針として接種数を増やそうとしている中で、接種実績のあるクリニックを除外する意味が理解できません。確かに私は医師会に入っていませんが、医師会所属の病院を優先するワクチンの“囲い込み”が起きているのであれば、許しがたい話です」(同前)
菅義偉首相が「7月末までに高齢者への接種完了」「一日100万回」と掲げるワクチン接種。猫の手も借りたいはずだが、「医師会優遇」とはどういうことか。
「医療従事者への接種は都道府県の管轄ですが、高齢者への接種は市区町村の管轄になります。各市区町村によってワクチンの分配方法などは違いますが、一部には、地元の区の医師会に丸投げしているところもあります」(厚労省関係者)
冒頭の行松氏が続ける。
「ウチは医療従事者への接種を始めたばかりですが、確保できているのは1244人分に過ぎません。2回目の予約もできたのはわずか40人ほどで、9割以上の方が2回目の接種が確約できない状況です。次は高齢者の接種分の確保が必要になるので区に申請したのに、『医師会所属じゃないと……』と言われ、目途が立たないんです」
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source : 週刊文春 2021年6月3日号