「五輪のために犠牲を」発言が物議を醸しているIOCのバッハ会長。感染拡大が止まらず、準備不足も取り沙汰される中、それでも今夏開催を譲らないのはなぜなのか。巨額の放映権収入に5つ星ホテルでの宿泊。そして、バッハ会長が日本政府に要求しているのは――。

“五輪貴族”と呼ばれる男たちから、国民の反発を招く発言が相次いでいる。
5月21日、IOCのジョン・コーツ副会長(71)が緊急事態宣言下でも東京五輪を開催するのかと問われ、「答えはイエスだ」と断言。翌22日には、国際ホッケー連盟の総会に寄せたメッセージでトーマス・バッハ会長(67)が、
「東京大会を実現するために我々は、幾つかの犠牲を払わないといけない」
などと述べたのだ。

7月23日の開会式まで、残り2カ月を切った東京五輪。だが、開催都市の東京都には現在、緊急事態宣言が発令されている。
「感染者数は下がりきっておらず、重症者数も都の即応病床数を超えてしまった。宣言は6月20日まで延長される方向です。米国務省も日本への渡航中止を勧告しました」(政府関係者)
それでも、断固として五輪開催を主張するバッハ氏やコーツ氏。彼らの“真意”はどこにあるのか。
小誌は5月23日深夜(日本時間)、IOCで43年間にわたって委員を務めている最古参委員に単独インタビューを行った。ディック・パウンド元副会長(79)。バッハ氏への直言をも厭わない重鎮だ。

――日本の世論調査では今夏の開催に8割が否定的だ。
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source : 週刊文春 2021年6月3日号