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「近鉄採用担当者は私をラブホに…」就活女子大生の告発

「週刊文春」編集部
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近鉄グループHDの小倉敏秀社長
近鉄グループHDの小倉敏秀社長

「鉄道業界に関心があり、近鉄も志望度が高い企業でした。でも、採用担当者だったXさんは私を……」

 小誌の取材にそう語るのは、上白石萌音似の大学4回生、A子さんだ。

 東証一部上場で、不動産会社や百貨店も傘下に置く近鉄グループHD。関西私鉄5社の中で最も売上高(約7000億円)が大きく、就活生にも人気の大企業だ。

 A子さんが振り返る。

「1月のインターンシップに参加すれば、早期選考を受けられるので応募したんです。2桁の倍率でしたが、合格できた。“夢”に一歩近づけたと思いました」

 インターンでは、上本町の魅力をどう上げるべきかをプレゼンしたりしたという。1月23日には、近鉄の採用担当者たちがインターン生と“非公式”のオンライン飲み会を開催。その中に居たのが、X氏だ。

「Xさんは現在、30歳前後。入社後は子会社への出向を経て、2年ほど前から採用を担当しています。今年の就活セミナーでは“エース社員”として登壇していました」(近鉄関係者)

 飲み会終盤、X氏はインターン生たちとLINEを交換。「いつでも連絡してよ」と伝えてきたという。

「最初は就活のアドバイスだけでしたが、2月上旬から『頑張ってるご褒美にご飯行こうよ』と連絡が来るようになって。最初はかわしていたんですが、エントリーシートの添削をしてくれるというので、その誘いに乗ってしまいました……。2月23日の夜、Xさんは梅田の和食屋を予約していた。私はお酒が強い方ではありません。だけど、Xさんはグラスが空いていると『え、飲まないの?』と勧めてきて」(A子さん)

 酔いが回ってしまったA子さん。気づくとタクシーの中で、着いた先は――。

「ラブホテルの前でした。『エントリーシートは中で見るから』と言われて……。行為に及ばないようソファに座っていたのですが、ベッドに寝転がったXさんは『こっちに来ないと見られないよ』と言ってきた。採用に影響が出ると思った私は断れず、肉体関係を持ってしまいました」(同前)

 約2時間後、ホテルを出た2人。利用料の1万円は帰り道にA子さんがコンビニのATMで下ろし、X氏に手渡した。解散した直後、X氏はA子さんにこんなLINEを送っている。

〈最後、いろいろお誘いしてごめんね(笑)〉

 翌日夜には“口止め”。

〈本当に、昨日のこと、ダメよ、言ったら(笑)〉

 A子さんにプレッシャーを与えるLINEも。

〈他の子が知ったら、特別扱いの側が、損するし、受からなくなるよ〉

X氏からA子さんへのLINE
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 インターンシップが終わり、A子さんは3月の早期選考に臨んだが、2次面接で落ちてしまったという。

「採用に至らなかったのは私の力不足。会社に恨みはありません。ただ、その後もXさんからは連絡があって、恐怖を感じて……。労働局に相談したら『警察に届けた方がいい』と言われました」(同前)

 当事者はどう答えるのか。X氏を電話で直撃した。

――2月23日にA子さんと食事に行った?

「私の完全に落ち度というか不覚なんですが、A子さんに好意を持ってしまった」

――その後、ラブホテルに?

「気持ちが大きくなって……。無理やりという認識はないです。ですが、行為に及んだのは事実です。人事採用担当としてよくなかった」

 近鉄グループHDの回答。

「採用担当者が就職活動中の特定の学生と勤務外で会うことを禁止しており、今回このような事態が起こったことは断腸の思いであり、当社としては深く反省しております。(X氏)本人に対して、厳重な処分を行います。(類似事案があるか否かは)現在調査中です」

 A子さんが言う。

「私が受けた被害がこうして報じられることで、少しでも就活生へのセクハラが減ることを願っています」

〈誠実な企業活動〉を企業理念に掲げる近鉄。その実行が問われている。

あべのハルカスは近鉄不動産が運営

source : 週刊文春 2021年6月10日号

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