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母、恩師が語る 京大飛び級17歳 囲碁とゲームと数学

「週刊文春」編集部
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「ウチの子が天才だなんて、とんでもない。本当に普通の子ですから」

 そう語るのは、京都大学医学部1年生、林璃菜子さん(17)の母親。璃菜子さんは今春、名古屋の中高一貫の名門私立・南山高校2年生から、京大医学部に同学部初の「飛び級合格」を果たした。

 5月21日の朝日新聞「ひと」欄に取り上げられ、一躍時の人となった璃菜子さん。昨年7月、「国際化学オリンピック」に日本代表として挑み、銀メダルを獲得。これにより同学部が定める飛び級入学の資格を得て受験、見事に合格した。

林璃菜子さん(TDK「『化学グランプリ2019』開催レポート」サイトより)
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 朝日新聞に「集中力が続く限り」机に向かう、と語り、「治せない病気の治療法を見つけたい」と早くも野望は大きい。

 理系の職業に就く父親と専業主婦の母親の間に育った璃菜子さん。「取材はお受けしていないのですが……」としながらも、母親が愛娘の素顔を語ってくれた。

「進学塾に通っていたことはありません。習い事だって公文は続きましたけど、水泳はクロールを覚えたところで、ピアノも半年くらいで辞めてしまいました。

 でも、私も夫も、『これをやれ、あれはやめろ』と言ったことはないんです。あの子が『やめたい』と言ったら、『ああ、そう?』という感じで」

 その一方で、好きなことにはこだわり続ける面があったという。

「ドラえもんが出てくる学習雑誌が好きで、飽きることなく読んでました。今も時間がある時はスマホのゲームに没頭していて……。どんなゲームなのかサッパリ分かりませんけど凄い集中力ですよ。ゴロゴロしてやってます(笑)」(同前)

 中高の同級生が続ける。

「食べることが好きな普通の女の子。自分を大きく見せるようなこともなく、謙虚で。明るいし人を笑わせるのが好きなタイプです」

 彼女のツイッターでも、ラーメンなど食べ物の画像が多くアップされている。

 璃菜子さんが所属していたのは棋道部(囲碁・将棋部)で、彼女は囲碁を勉強していた。同部の顧問、奥野元三教諭が言う。

「彼女が囲碁を始めたのは中学生になってからで、決して早くはありません。にも関わらず、強くなるスピードは驚くほどでした」

 南山高校は囲碁の強豪。今年3月に行われた全国高等学校囲碁選抜大会では準優勝した。

「レギュラーは3人で、彼女は補欠だったのですが、大会前には『私は対局できなくてもいいので、仲間を応援に行きたい』と話していた。大会では結局、最後の大きな勝負に出場し、見事に勝ったんです」(同前)

 勉強についての印象は「もの凄かった」という。

「彼女が中学の時に数学を教えていたんですが、すでに大学生が勉強する『複素関数論』のテキストを読んでいた。驚いて訊いたところ、基礎的な部分は完全に理解していた。正直、数学に関してはもう教えることはなかった。その後、関心は数学から化学に移っていったようですね」(同前)

 これだけの才能があれば、人生の壁も難なく“飛び”越えられそうだ。

 

source : 週刊文春 2021年6月10日号

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