検疫官の警鐘「五輪で変異株がすり抜ける」

「週刊文春」編集部
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「必要不可欠な人材であるので現時点では変えることができない」

 大会関係者の来日人数削減は、感染対策の重要課題だ。そうした中、組織委員会の武藤敏郎事務総長が5月26日、理事会後の会見で「減らせない」と口にしたのは、約3000人の「オリンピックファミリー(ОF)」。だが、多くの関係者が一気に来日することで……。

 そもそも、OFとは一体、どういう人たちなのか。組織委関係者が解説する。

「バッハ会長を筆頭とする103名のIOC委員や、IOC本部の職員たち。加えてNOC(各国のオリンピック委員会)やIF(各競技の国際連盟)、各国首脳や次回開催都市の市長らがOFと定義されてきました。ところが、世間の批判を避けるためか、今回の理事会資料ではNOCとIFをOFから除外し、3000人と少なく見せています」

バッハ会長は「ラストスパートの準備に」

 本来OFの一員であるNOCも延期前の1万4800人のまま、IFは500人削減して4500人。計2万2300人が実際のOF来日者数と言える。これまで五輪では、ОFに様々な特権が与えられてきた。

「大会期間中、これら3団体の幹部は“国賓級”の扱いを受けます。どの競技場でも一番良い席とラウンジが用意され、食事を楽しむ。リオ五輪のジャパンハウスでは、彼らに寿司や日本酒が振る舞われました。IOC委員夫人には『レディースプログラム』という観光案内が付いている。今の組織委にもОF接待用のチームがあります」(同前)

先週号の取材に応じたIOC委員のパウンド氏

五輪ファミリーにも高級ホテル

 さらに、IOCは都や組織委と結んだ開催都市契約で、4つ星〜5つ星のホテルを1600室、33泊分確保することを定めている。これに対し、都は立候補ファイルで「グランドハイアット東京」など4ホテル全室をOFのために貸し切ると保証した。

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source : 週刊文春 2021年6月10日号

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