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極秘“足抜け計画”進行中 石破派崩壊の首謀者とは?

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「週刊文春」編集部
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昨年の総裁選では国会議員票が26票だった
昨年の総裁選では国会議員票が26票だった

 5月末に報じられた日経新聞の世論調査。「次の首相にふさわしい政治家」で、トップの河野太郎規制改革相の23%に次いで、無役ながら2位(14%)に入った自民党の石破茂元幹事長(64)。国民にはまだ一定の人気があるが、永田町やマスコミの間では、その存在感は凋落の一途だ。

 6月2日放送のラジオ日本の番組が象徴的だった。「石破さんの総裁選の出馬の話も伺おうと思ったのに。あと30秒で、はい」。石破氏出演のコーナーの終わりを告げる音楽が流れる中、キャスターが尋ねた。石破氏は「いや、だから、それはもう『俺が、俺が』とかね、そんな話ではない。『菅おろし』とか、そんな話をしちゃいかんのですよ」。

「最後に雑に聞かれるぐらい、石破氏の次期総裁選出馬の話は軽んじられていた」(政治部記者)

 昨秋の総裁選で菅義偉首相ばかりか岸田文雄前政調会長にも惨敗。責任を取って石破派の会長を辞任し、派は集団指導体制になった。石破氏からの後継指名を固辞した鴨下一郎元環境相が代表世話人に就いているが、山本有二元農水相は休会中。伊藤達也元金融担当相らが退会し17人になった。

 実は、さらに不穏な動きが極秘で進行している。

「鴨下氏が複数の仲間と共に石破派を足抜けし、新グループを結成したいと重鎮議員に相談した」(党関係者)

 一番の狙いは、当選6回ながら大臣になれない古川禎久元財務副大臣の入閣だ。グループとして菅氏支持を表明し、早ければ衆院選前に行われる内閣改造での入閣を目指している。

「これは『石破嫌い』の急先鋒である安倍晋三前首相が仕掛けた石破派分断の効果だ」と政治部デスクは分析する。安倍氏は首相当時、石破派からいずれも当選3回の若手だった齋藤健氏を農水相に、山下貴司氏を法相に抜擢。「古川氏ら入閣待機組を差し置いて若手の一本釣りで石破派内の秩序をめちゃくちゃにし、安倍氏は石破氏の求心力を落とそうとした」(同前)。

 石破氏は派の会長を降りる際、周囲に「私が首相候補だから打算で近づいていた議員もいる。会長辞任で、誰が真の仲間かを見極めたい」と吐露。山本氏、伊藤氏らの言動を注視する一方で、鴨下氏に信頼を置き、古川氏の将来を嘱望していた。その2人が派を離れることになれば、石破氏の傷心はいかほどか。

 派内にはいまだ「秋の総裁選で石破氏を立候補させたい」と気勢を上げるメンバーもいる。しかし、その前に派が分裂すれば、出馬に向けた推薦人20人を集めることは難しくなる。10年以上維持した「宰相候補」の座も今や風前の灯火だ。

source : 週刊文春 2021年6月17日号

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