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ラブホ就活だけじゃない 近鉄セクハラ体質に告発続々

「週刊文春」編集部
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近鉄グループHDの小倉敏秀社長
近鉄グループHDの小倉敏秀社長

「近鉄グループの“膿”を出し切って欲しい」

 小誌が6月3日発売号で近鉄グループHDの「ラブホ就活」問題を報じたところ、続々と内部告発が――。

 東証一部上場の近鉄グループHD。その採用担当者だった男性社員X氏は、就職活動中の女子大生A子さんを「エントリーシートを添削する」とラブホテルに誘い、肉体関係を迫るなど不適切行為に及んでいた。

 A子さんが嘆く。

「2日に近鉄側から『謝罪をしたいから大阪まで来て欲しい』と電話がありました。翌3日、大阪のホテルに向かうと、専務と総務部長が待っていた。『誠に申し訳ございません』と最初に謝罪がありましたが、その後は2人の趣味や子育ての話が中心でした。ただ、会社が変わることを望んでいたのですが……」

 一部で彼女をカネ目当てなどと中傷する声もあるが、金銭を求められた事実はなく、支払ってもいない。

X氏からA子さんへのLINE
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 一方、X氏の“行状”は社内でも有名だったという。元従業員が振り返る。

「Xさんは受付嬢に『これ僕の名刺。連絡して』とよくLINEのIDを手書きした名刺を渡していた。歴代受付嬢の間では『手癖が悪い。気をつけろ』と申し送りがあったほどです」

 5月31日、小誌の取材に「(類似事案については)現在調査中です」としていた近鉄グループ。だが、「類似事案」は確かにあった。昨年、就職試験を受けたB子さんが証言する。

「1次面接の担当官がX氏でした。面接の後、OB訪問アプリ上でX氏から急に連絡が来たんです。面接時に知り得た私の個人情報で検索したのではないか、と怖くなりました……。恐る恐るLINEを交換すると、『電話しよー?』などと個別の連絡が来るようになった。その後も、選考の情報とかを送ってきました」

 しかし、近鉄グループのセクハラ社員はX氏だけではない。子会社の「近畿日本鉄道」関係者が告発する。

「昨年入社した新卒の女性駅員・C子さんに、既婚者で40代の上司が『お薦めのカフェがあるからお茶しに行こう』『今度梅ジュース作りに家においで』と執拗にプライベートな誘いをかけていたのです。登山が共通の趣味だと分かると、2人きりでの“お泊まり登山”にも誘っていました」

 悩んだC子さんは他の上司に相談したものの、会社としての処分はなかったという。その後、車掌テストに合格したC子さん。ところが乗務員研修の場でも、セクハラ被害に遭っていた。

「彼女の指導役は、観光特急の乗務員も務める40代の男性社員でしたが、2人きりの場で『いい身体って言われない?』『家行っていい?』などと言われていた。セクハラの連続に彼女は傷ついていました」(同前)

 さらに――。大阪マリオット都ホテルなどを運営する子会社の「近鉄・都ホテルズ」関係者が明かす。

「3月下旬、課長級の男性社員が、こともあろうに近鉄路線内の電車で、女子高生に痴漢をした疑いで警察に任意同行を求められました。同じ電車で痴漢行為を重ねていたそうで、本人も容疑を認めています。ただ、会社は事案を公表することはなく、4月下旬、当該の男性社員は課長級のまま別のホテルに異動しました」

 相次ぐ告発について、近鉄グループHDに事実関係を尋ねたところ、主に以下のような回答があった。

「(X氏のB子さんへの連絡は)業務上知り得たB子さんの個人情報を無断で使用したといった事実はありません。就職活動中の学生と個人的に連絡をとるという行為は、当社のルールを逸脱した不適切な行動であり、厳重な処分を行います。

(近畿日本鉄道社員のセクハラは)本人から職場の上司に相談があったことで発覚しており、事実調査の上、当該社員に対して、上司より厳しい指導等が行われており、また、本人にも対応内容等を報告しております。

(近鉄・都ホテルズ社員の痴漢は)当該社員に対しては、社内規程に則り、厳正に処分いたしました」

“セクハラ体質”の改善は急務だ。

HPで公表した「お詫び」

source : 週刊文春 2021年6月17日号

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