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59歳で入籍、69歳で挙式 夏木マリ 破天荒言行録

「週刊文春」編集部
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「カメラが回っていなくても、夏木さんは役になりきっています。清原さんを“モネちゃん”と呼び、彼女が1人でポツンと立っていると『こっちさ、おいで』と気遣い、東北弁で話しかけていた。現場の皆が姉御肌の“夏木座長”を頼りにしています」(NHK関係者)

 5月にスタートしたNHKの朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」。夏木マリ(69)が演じるのは、宮城県登米市の森林組合で働く百音(清原果耶)を下宿させる資産家。豪快で情が深い金髪のおばあちゃんで、“姫”と呼ばれている。

撮影現場での写真(朝ドラの公式インスタ)
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 夏木の人生も役柄同様、破天荒だ。東京生まれで、名門・豊島岡女子高校に在学中にスカウトされた。グループサウンズに近づけると期待して1971年に歌手デビュー。インタビューしたノンフィクション作家の吉永みち子氏が語る。

「最初はアイドル路線で、次はセクシー路線、さらに舞台女優へと挑戦が続いた。周囲が彼女に様々な可能性を感じていたからでしょう」

 当初ヒットしたものの、女性ロック歌手のジャニス・ジョプリンに憧れていた彼女は理想と現実のギャップに悩んだ。さらに低色素性貧血で倒れた後は鳴かず飛ばず。「大人なんか信じるか」と不貞腐れ、キャバレーで8年間どさ回りした。

 転機は28歳のとき。トップレスの女性が踊る“ヌードの殿堂”日劇ミュージックホールの音楽ショーに出演することになった。

「ヌードと一緒は嫌と言っていたそうですが、熱意あふれる踊り子さんたちの姿を見て、何をしたいのか自問自答。そして拗ねている場合じゃない、地道に努力して理想に近づくしかないと吹っ切れた」(芸能関係者)

 ホールの常連だった演出家に見出され、舞台女優の道へ。蜷川幸雄らのもとで研鑽を積んだが、夏木は38歳で「一度1人になってみよう」と思い立ち、渡米する。

「ニューヨークで英語学校に通ってボイストレーニングに取り組み、幅を広げた。帰国後、93年から企画や構成、演出、出演を1人で手掛ける舞台『印象派』を始めたのです」(同前)

 仕事に夢中で「結婚に興味がなかった」彼女が自身のライブで出会ったのが、1歳上のパーカッション奏者の斉藤ノヴ氏だった。

「かまやつひろしさんに連れられて参加した斉藤さんが奏でた音に、夏木さんが感激して交際を始め、自然と一緒に暮らすようになったといいます」(同前)

 2007年に「フランス人のように愛にプライオリティーを持って生きる」と“事実婚”を宣言した。

 ところが――。11年に東日本大震災が起きた。今回の朝ドラでは、震災を経験したヒロインは家族のもとを離れて暮らすことを選ぶ。一方、ずっと事実婚だった夏木は59歳で入籍。

フォロワー33.5万人の自身のインスタに投稿した挙式写真

「震災の報道を目にして、家族の絆がクローズアップされるなか、夏木さんのほうから入籍を切り出したそうです。『嫁の立場で義母を介護したい』とも明かしていました」(同前)

 そして今年5月。69歳で挙式し「10周年で、神様に改めて、誓いを申し上げて参りました」と発表したのだ。

「式を挙げた乃木神社は、過去に参拝したら映画出演が決まった、夏木さんにとって縁起のよい場所。夏木さんはヴァンクリーフ&アーぺルの指輪をいつもつけています」(別の芸能関係者)

 夏木には“NG”もある。

「イベント出演などの際、“女優”という肩書きを使わないようにスタッフからお達しがあるんです。歌手などマルチに活躍している表現者として見て欲しいといいます」(スポーツ紙記者)

「判断基準は好きか嫌いか」という夏木。生き方が格好いいと支持され、女性誌で人生相談を連載していた。

 朝ドラの現場で、夏木によく演技の相談をしている清原。「夏木さんの一言一言が沁みるんです」と感激しているという。

ヒロインの清原

source : 週刊文春 2021年6月17日号

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