「毎日コロナ患者の対応で手いっぱいです。今の状況だと、いつ再び病床が逼迫するか分からない。医師や看護師も不足したままです。ワクチン接種には行政から協力金が出ていますが、接種を行っているのは、多くが中小の病院。開業医の皆さんです。私たちには関係ありません……」
そう語るのは、新型コロナウイルスの患者を受け入れている大病院の関係者だ。
未だ予断を許さないコロナの脅威。厚労省のデータ(6月14日時点)によれば、全国の新規感染者数は1384人、重症者数は849人、入院中あるいは療養中は3万530人に上る。そこで政府が注力するのが、ワクチン接種だ。東京五輪開催を見据え、7月末までに高齢者接種の完了を掲げている。
「高齢者接種には、自衛隊が設置した大規模接種センターや区市町村が設置した会場での『集団接種』と、かかりつけ医など身近な診療所での『個別接種』があります」(厚労省担当記者)
だが、冒頭のように、コロナ対応病院ではワクチン接種を実施していない病院も少なくない。例えば、コロナ患者691人を受け入れている東京慈恵会医科大学附属病院(東京都港区)の広報担当者はこう語る。
「コロナ患者の対応に日々追われています。港区の高齢者向け接種は集団接種なので、当病院では個別接種を実施していません」
ワクチン接種の加速を国民は期待しているが、集団接種の現場はどうなっているのか。大規模接種センターで働く自衛隊の医官が明かす。
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source : 週刊文春 2021年6月24日号