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「岡本真也 味方なき決断」|鈴木忠平

嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか 第12回

鈴木 忠平
エンタメ 社会 スポーツ

 07年、球界大記録目前の山井交代劇。岡本の眼がブルペンを発つ岩瀬を追う。

 

(すずきただひら 1977年千葉県生まれ。日刊スポーツ新聞社に入社後、中日、阪神を中心にプロ野球担当記者を16年経験。2019年よりフリー。著書に『清原和博への告白 甲子園13本塁打の真実』、取材・構成担当書に『清原和博 告白』、『薬物依存症』がある。)

 

 2007年11月1日、名古屋の空は雲に覆われていた。月の見えない肌寒い夜、市街北東部にあるナゴヤドームの周辺だけは煌々と光っていた。人の往来が絶えず、熱気が外まで漏れ漂ってくるようだった。

 日本シリーズ第5戦。中日は53年ぶりの日本一を目前にしていた。先発ピッチャー山井大介は、1-0のリードを守ったまま、ひとりのランナーも出すことなく、8回を投げ終えようとしていた。

 日本一と完全試合、誰も見たことのない結末が近づいていた。

 ブルペンの壁には通話機がある。ベンチからの指令を受けるためのものだ。ドアや壁面と同様に、余分な装飾はなく、無機質に沈黙している。

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source : 週刊文春 2020年11月5日号

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