「カメラやFAXの新規注文は数カ月待ち。これから需要が増えるエアコンも在庫には不安が……」
そう漏らすのは、大手家電量販店の販売員だ。夏の商戦を前に一体、何が起こっているのか。
「家電の製造に欠かせない半導体が世界的に不足しているのです。コロナ禍に伴うデジタル化の進展を受けた需要増に供給が追い付いていない。その影響はあらゆる産業に及び始めています」(経済部記者)
自動車産業もその一つ。サプライチェーンに強みを持つトヨタでも、国内2工場3ラインで6月から生産停止を余儀なくされた。3月に車載半導体部品を製造するルネサスエレクトロニクスの那珂工場で火災が発生し、生産再開に1カ月を要したのも大きかったという。
「IBMのジム・ホワイトハースト社長は『世界的な半導体不足はあと2年続く可能性がある』と指摘しています」(同前)
1980年代には、世界シェアの50%を占めた日本の半導体産業。だが、いまや米国や韓国、台湾の後塵を拝している。果たして、日本に打つ手はあるのか。
「東芝を筆頭に、国内メーカーは半導体事業を切り売りしてきました。そこで経産省はこれまで頑なに拘ってきた“日の丸半導体”のプライドを捨て、台湾積体電路製造(TSMC)に縋った。半導体受託生産で世界シェア56%を占めている企業です」(同前)
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source : 週刊文春 2021年7月1日号