「中国製ワクチンに依存する国々はいま、感染爆発と戦っている」
ニューヨーク・タイムズがそう題した記事を掲載したのは、6月22日のこと。主に中国製を使用するチリやモンゴルなど4カ国は人口の50%以上が接種を完了したのに、世界で最も感染状況が悪化している国ワースト10にランクインしていると報じたのだ。
「接種率68%と世界一を誇るインド洋の島国セーシェルは、中国のシノファーム製を使用しているが、一日の新規感染者数が100万人あたり716人です。一方、接種率2位でファイザー製を使っているイスラエルは5人未満。中国製は感染を抑える効果がないと見られている」(国際部デスク)
中東のバーレーンでは人口10万人あたりの死者数がインドを上回ったため、中国製の2回の接種を完了した人のうち感染リスクが高い人を対象にファイザー製の追加接種をスタートした。
巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国は、高価格のファイザー製などを調達できない途上国を中心に90カ国超に供給してきた。
「中国製は有効率が国営のシノファーム製は78%、シノバック製は51%と他国製より低い。ただ通常の冷蔵庫の温度で保管できるため、途上国では有用だとされてきたのです」(同前)
中国外務省は「ワクチンは感染予防より重症化や死亡を抑えることに主眼を置いている」と発表。だが、デルタ株が猛威を振るうインドネシアでは、シノバック製を接種した医療従事者350人以上が感染し、14人の医師が2回の接種の完了後に死亡した。
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source : 週刊文春 2021年7月8日号