金融庁「内部資料」で分かった 初の理系長官が抱える大問題

THIS WEEK「経済」

森岡 英樹
ニュース 社会 経済

 金融庁は6月25日、氷見野良三長官(61)が退任し、後任に中島淳一総合政策局長(58)が昇格する人事を固めた。中島氏は東大工学部(計数工学科)卒で、国家公務員上級甲種(数学)合格組。発足以来、初の理系長官の誕生となる。

 ただ、森信親前々長官の在任期間は3年、遠藤俊英前長官は2年。それだけに「1年での長官退任は意外だった」(メガバンク首脳)との声も上がったが、

「菅義偉首相との溝が深かったことが背景にあります。氷見野氏は、首相が力を注ぐ地銀再編にも後ろ向きでした。そもそも国際畑が長く、仏彫刻家マイヨールの伝記本を出すほど文化人の氷見野氏はポストにも執着がない。6月上旬には、『もう辞めたい』と周囲に漏らしていたそうです」(金融庁関係者)

 一方、新長官に就く中島氏は85年に旧大蔵省に入省。新財務次官に就く矢野康治氏と同期だ。

「監督局長経験者が長官に昇格することが慣例化する中、政策立案を所管する総合政策局長からの抜擢も異例。首相が熱心な脱炭素への取り組みを、金融面から後押しする“実績”も買われました」(同前)

 その中島氏が着任早々に求められるのが、東京五輪を見据えたサイバー攻撃への対処だ。実際、6月中旬には、地銀トップとの会合の冒頭でこう訴えている。

「過去のオリ・パラでは多くのサイバー攻撃が発生した。安定的な金融サービス確保の観点から、インシデント対応体制の確認や監視態勢の強化をお願いする」

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source : 週刊文春 2021年7月8日号

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