(相澤冬樹 大阪日日新聞記者)
そのツイートを目にして赤木雅子さん(50)は、そっと声を絞り出した。
「夫は、これで3回殺されたんですね……」
夫とは財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん(享年54)。ツイートは、安倍晋三前首相その人の公式ツイッターのものである。
3回殺されたとはどういうことか? 1回目は、俊夫さんが森友学園との国有地取引を巡る公文書を改ざんさせられ、死に追い込まれたことを指す。2回目は妻の雅子さんが去年3月、国などを相手に裁判を起こし真相解明の再調査を求めた時、当時の安倍首相や麻生太郎財務大臣が「必要ない」と拒否したこと。国は俊夫さんが改ざんの実態をまとめた「赤木ファイル」の存在も認めなかった。そして3回目は、ようやくファイルが開示された2日後、安倍前首相の公式ツイッターに記されたこのツイートだ。
【赤木氏は明確に記している。「現場として(森友学園を)厚遇した事実はない」この証言が所謂「報道しない自由」によって握り潰されています。《秘書アップ》】
赤木雅子さんはなぜこれを「夫は3回殺された」と表現したのだろうか?
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source : 週刊文春 2021年7月8日号