首振り――。来年3月の韓国大統領選への出馬を表明した、尹錫悦・前検事総長(60)をそう揶揄する言葉が現地で飛び交っている。
6月末の出馬会見で尹氏が、落ち着かない様子で左右に顔を頻繁に振っていたからだ。その回数は合計で740回に達したという。
出馬を表明した尹氏は、検察首脳部の反対を押し切ってでも捜査を断行するなど、権力に忖度しない検事として、文在寅大統領に大抜擢された人物だった。
「だが大統領側近の曺国“タマネギ法相”の不正に切り込み、文政権と対立。曺国氏の後任法相から停職処分を受けるなどし、今年3月に辞職した。結果、『傲慢な政権と戦うヒーロー』となったのです」(韓国紙記者)
政権に批判的な層の期待を集め、出馬する前から野党陣営の候補として支持率トップに。保守派の最大野党「国民の力」からも、盛んにラブコールを受けており、今回、満を持しての出馬表明だった。だが――。
会見では首振りを繰り返しただけでなく、「公正と法治を打ち捨てて国の根幹を揺るがした」など漠然とした文政権批判ばかりで、自らの政策ビジョンを訴える場面はほぼなかった。驚くべきは尹氏が「大統領選に出る」と明言しなかったこと。「(大統領は)私でなければ駄目という訳ではない」と後ろ向きな発言も飛び出し、「国民の力」への入党に関する質問にも、曖昧な答えに終始した。
「立ち居振る舞いと内容の両面で、選挙の専門家の助言を受けているとは思えない会見でした。政界では『政党の広報チームが仕切れば、こんなことにならなかったのに……』と、政治センスの無さを不安視する声が出ている」(政界関係者)
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source : 週刊文春 2021年7月15日号