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熱狂のザ・タイガース 3

ジュリーがいた

島﨑 今日子
エンタメ 芸能 テレビ・ラジオ 音楽

 全共闘運動が終焉へと向かう頃、隆盛を極めたGSもその時代を終えた。当時ジュリーが、タイガースが好きだと口にしなかった男たちの「我が沢田研二」。

 

(しまざききょうこ 1954年、京都市生まれ。ノンフィクション・ライター。著書に『森瑤子の帽子』『安井かずみがいた時代』『この国で女であるということ』『だからここにいる』などがある。)

 社会現象にまでなったザ・タイガース旋風が日本中に吹き荒れて、ジャズ喫茶もコンサート会場も少女たちで埋めつくされていた1960年代の終わり。そこに男の姿はなかった。子どもたちを別にすればタイガース・ファンを、ジュリー・ファンを公言する男性が現れ、増えていくのはタイガース解散後の70年代以降。タイガース論もグループサウンズ(GS)論も、書き手のほとんどは男性である。あの時、男たちは「好き!」と口にしなかった。

 作家の亀和田武は沢田研二と同学年の1949年1月生まれ、同じ時代を生きてきたスターへの思い入れは強いという。

「男はゴールデン・カップスやモップスは好きだと言えても、タイガースが好きとは言えませんでしたね。ひとつにはあのフリフリの服です。ファンが女の子ばかりというのも敷居が高かった。でも、ビートルズ来日50周年の時に放送されたコンサート映像を見ていて、驚いたんですよ。ビートルズは男のファンが多いと思っていたのに、あの時、武道館にいた8割以上は少女だった。女の子たちのほうが感性が鋭かったんです。閉塞感が強い時代でしたが、それだけ彼女たちのほうが抑圧されていたのだと認識を改めました」

 日本中の女の子がタイガースに夢中だった時、亀和田が熱中したのは学生運動だった。

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source : 週刊文春 2021年7月15日号

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