「このままでは東京都の新型コロナウイルスの新規感染者は増え続け、第五波が到来するのは確実。五輪開催でさらに感染者は増える」
こう警鐘を鳴らすのは、京都大学ウイルス・再生医科学研究所の古瀬祐気特定准教授(37)だ。
専門は感染症データの情報解析や統計解析。政府分科会・尾身茂会長らが五輪の無観客開催などを求めた「尾身提言」にも名前を連ねた。
古瀬氏は人流の変化により、どう感染が拡大していくかを緊急予測。6月30日に「6〜9月東京における流行プロジェクション」として結果を公表した。デルタ株の影響を小・中・大の3つに分けて分析している。
「それぞれ、英国由来のアルファ株の感染力の1.2倍、1.3倍、1.4倍に設定。緊急事態宣言のある・なしも考慮して分析しました。どのパターンでも7月第1週の感染者数が約650人〜700人でしたが、実際、7月3日の新規感染者数は716人。ほぼ予測通りの数値になりました」
古瀬氏の分析によると、デルタ株の影響が小・中・大どのケースでも、もし7月に入ってからも人流の増加が続き、緊急事態宣言のような強い対策が出なければ、五輪開会式の7月23日ごろ、2000人を超える可能性が高いという。その後も強い対策や自粛など行動変容が起きなければ、指数関数的に増え続け、8月上旬には、4000人を突破することも示されていた。
実は予測後、デルタ株の感染力の強さがデータで明確になってきている。
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source : 週刊文春 2021年7月15日号