小誌取材直後に公表 五輪組織委員会スタッフ“コロナ感染会食”の隠された実態

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「週刊文春」編集部

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 7月6日、東京五輪組織委員会が発表した東京オリンピック・パラリンピックの選手村で働くスタッフ2名の新型コロナウイルス感染。組織委の高谷正哲スポークスパーソンは「上長から厳しく注意をした。その他の全スタッフにも注意喚起を行った。同じフロアで業務しているスタッフらに対しても体調管理等でのモニターを徹底するよう指示を出した」と説明している。

©️iStock.com

 感染した2名は、職員と請負業者のスタッフを含めた計4人で飲食。東京大会でのコロナ感染防止に必要なルールをまとめた手引書「プレーブック」では、大会関係者などが食事する際には、ほかの人との接触を最小限に抑えるため、2メートルの距離を保ち、なるべく1人で食事をするよう求めている。この「プレーブック」に違反した形となり、感染したスタッフに批判の声が挙がっているが、ある事情があったという。

「この4人は外で会食をしていたわけではありません。感染が分かった2人は主に選手村施設での各種サービスを担っていました。そして、6月下旬に行われた選手村のメインダイニングホールで提供されるメニューの試食会に参加したのです。参加者は数十人ほどいて、中には組織委の理事や東京都の技官もいました。いわば業務の一環で感染してしまったのです」(組織委員会関係者)

 むしろ問題なのは組織委の隠蔽体質だと、この組織委関係者は明かす。

「通常、コロナの感染が確認された場合、翌日には公表されていました。今回は、7月1日に1名、2日にもう1名の感染が確認されたのに、数日たっても公表しなかった。7日から選手団が本格的に入り、13日には選手村は本格的に稼働する。本当は公にするつもりはなかったでのはないかと疑われても仕方がない」

©JMPA

 実は、小誌は組織委関係者の内部告発を受け、7月5日月曜日の朝10時に、事実確認を申し入れていた。すると、組織委は翌6日12時頃に感染を公表。小誌に15時半過ぎに以下のように回答したのだった。

「晴海選手村で業務にあたっていた東京2020職員及びコントラクターの陽性者計2名の事案については、7月6日付けで公表済みです。引き続き感染症対策の徹底に努めてまいります」

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source : 週刊文春 2021年7月15日号

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