スーツの上からでもわかる鍛え上げられた身体に、スキンヘッド。口調こそ穏やかだが、その鋭い眼光が、ただならぬ雰囲気を醸し出していたという。ある実業家は、災害現場の土地の所有者が「ムギシマ」だと聞くと、投資物件を探しまわっていた“あの老人”に違いないと直感した――。
静岡県熱海市の伊豆山地区で7月3日に発生した土石流災害。標高400メートルの位置から一気に家屋を呑み込み、被害に遭ったのは122戸。7月13日現在で死者は11名、行方不明者は17名に上る。
現場を取材すると、住人たちは声を揃えて憤った。
「よそから来た人が伊豆山で、変な開発をしていると地元では噂になっていた。細い山道をダンプカーが何台も通り、家が揺れるほどでした。嫌な予感はしていましたが、まさかこんなことになるとは……」
住人たちが言う“よそから来た人”とは、土石流の起点となった土地の現所有者と前所有者のことだ。
「盛り土の工法は不適切。誰が多くの盛り土をしたのか明らかではないが、量と期間からみて、前の所有者だけではない」
7月7日の会見で、元国交省技官の難波喬司静岡県副知事はそう語った。
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source : 週刊文春 2021年7月22日号