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テラスハウス・木村花さん 母が衝撃告白10時間「娘はフジテレビに殺された」

「週刊文春」編集部
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成人式での母娘2ショット
成人式での母娘2ショット

「このままだと花の死が『暴力的な女子が男性に乱暴を働き、SNSの批判を苦にして自殺した』というストーリーで片づけられてしまう。真相は、全然違うんです。彼女はスタッフの指示通り、ヒール役に徹しただけ。私も娘から話を聞いていたし、彼女の携帯電話に証拠は全部残っています。大人たちにウソをつかれ、丸め込まれて最後は逃げ場がなかった。亡くなった今、せめて花の名誉を回復してあげたい。応援してくれた方々にも真実を知ってほしいと思ったからこそ、取材を受けました」

 女子プロレスラー木村花さん(享年22)の写真を手に、涙ながらに語るのは、母の響子さん(43)だ。

 事件後はじめて取材に応じた響子さんは10時間にわたり、“やらせ”をはじめとする「テラスハウス」への不信感、そして愛娘への思いを明かした。

 5月23日、花さんは『テラスハウス TOKYO 2019-2020』(フジテレビ系/Netflix)の出演中、22歳の若さでこの世を去った。

〈毎日100件近く率直な意見。傷付いたのは否定できなかったから。死ね、気持ち悪い、消えろ、今までずっと私が1番私に思ってました。お母さん産んでくれてありがとう。愛されたかった人生でした。側で支えてくれたみんなありがとう。大好きです。弱い私でごめんなさい〉

花さんは母への感謝を周囲に伝えていた
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 SNS上での誹謗中傷に苦しんだ花さんは命を絶つ前、自身のツイッターにこう綴っていた。

 花さんの死を契機に、政府は悪質なSNS投稿に対し罰則を含む法規制強化に動き出している。

 だが、事件の本質はそこにはない。小誌取材班は、響子さんから提供されたLINE、メールや契約書などをもとに、テラスハウス出演者、友人、制作関係者に徹底取材を行った。そこで浮かび上がったのは、花さんを死に至らしめた根本の原因が番組の“やらせ”にあるという事実だ――。

「ビンタしたらいいじゃん」

 事件の引き金となったのは3月31日にNetflixで配信された「テラスハウス」第38話「コスチューム事件」である。

 番組はいつも通りのナレーションで始まった。

〈見ず知らずの男女6人が共同生活する様子をただただ記録したものです。用意したのはステキなおうちとステキな車だけです。台本は一切ございません〉

 花さんは、一度目の失恋後、コメディアン志望の小林快さんに思いを寄せていた。ところが、前話の京都旅行から快さんへの不満を見せるようになっていた。

 そのなかで「コスチューム事件」が起きる。

 快さんが共用の洗濯機に入った花さんのプロレス用コスチュームに気付かず、自分の洗濯物と一緒に洗濯し、乾燥させてしまったのだ。

 1月の東京ドーム大会でも着た「命と同じくらい大事」という衣装は、乾燥機で縮み、装着できない状態になってしまう。

 そして住人全員がダイニングルームに集まる問題のシーン。

 花さんがコスチュームが縮んだことを明かすと、快さんは「ごめん」と謝罪する。彼女は京都旅行からの不満を爆発させるかのように、泣きながら「人のこともっと考えて暮らせよ!」「ナメんのもいいかげんにしろよ」と快さんに詰め寄り、彼のキャップを叩き落とすのだった。

第38話「コスチューム事件」の問題シーン

 SNSは“大炎上”した。

〈こんな凶暴な子イヤダー。プロレスラーって実際もこうなんだって思ってしまった〉

〈テラハ史上一番嫌いなメンバー〉

〈命の次に大事なものを置きっぱなしにした方が悪い〉

 ほぼすべて花さんに対する批判だった。

 花さんの自殺後、フジはシリーズの制作、放送中止を決定。出演者の聞き取りなど、検証を続けているというが、まだ結果を公表していない(6月30日時点)。

 炎上シーンの裏側で何があったのか。響子さんは今回、悲壮な覚悟で番組スタッフによる“やらせ”の実態を告発した。

「後日、花は私に『番組スタッフからビンタしたらいいじゃんと言われた。でもさすがにそれはできなくて、苦し紛れに帽子をはたいたの』と話していました」

 実は響子さんだけでなく友人にも“やらせ”を打ち明けていた。

 配信直前、「コスチューム事件」の予告映像が流れると、花さんは〈既に批判がやばい〉と友人にLINEを送り、次のようなメッセージを続けている。

〈自分の仕事道具壊されて、スタッフにカメラの前でキレろって言われて〉

〈まだ放送もされてないのに〉

〈なんでこんな言われなきゃならんの〉

〈撮影する前にスタッフにあおられて〉

 その友人が証言する。

「花は私にもスタッフからビンタするよう指示があったと言っていた。ブチ切れたシーンの直後、スタッフから『すごい良かったよ』と言われ、人間不信になったともこぼしていました」

 そして同日、花さんはリストカットによる自殺を図った。そして血まみれの写真をインスタグラムにアップするのだ(現在は削除済)。

 心配した出演者の一人がLINEで〈はなちゃん、大丈夫?〉と連絡すると、花さんはコスチューム事件を必死で弁明した。

〈撮影する前にスタッフにあおられて〉

〈あれは本当じゃないから〉

〈だから申し訳ないと思ってるよ〉

〈ごめんね〉

花さんが友人や共演者に送ったLINE

 響子さんが言う。

「私もインスタグラムを見てすぐに連絡しました。すると花から『炎上して申し訳なくなってきた。でも血は止まったから大丈夫だよ』と。翌日、病院に行って8針縫ったと報告がありました。当時は心配した仲間が駆けつけて、花にずっとついてくれていた。『友達が鍋を作ってくれる。本当にありがたい』と話していました。彼女たちのおかげで、一旦、精神的に落ち着いたようでした」

 花さんは番組スタッフにも直接LINEでSOSを出していた。

〈死にたくなってきた〉

〈炎上してるの思い出した〉

〈死ねはひどくない?〉

 それでもフジは、配信を止めることはなかった。

 1カ月半後の5月14日、フジはYouTube上で、「“コスチューム事件”その後」と題した未公開映像を3本立て続けに配信する。その2本目では、女子部屋で他のメンバーが花さんに対し、再びコスチューム事件について聞くシーンが収められている。

「起きたことは、もう100%全てが快が悪いと思ってる?」

「うん、思ってる。強いていうなら、私が干さずに置いてっちゃったのは、ちょっとやらかしたなと思ったけど」

「1台の洗濯機をみんなで使うものだから、そうとう大事なものを置いておくっていうのも自分の責任だなって」

 メンバーに諫められた花さんは泣き出し部屋を出て行く。部屋の外からは花さんの「無理ぃ……ううう」と嗚咽が聞こえてきたのだった。

 この撮影も花さんにとっては過酷なものだった。2月16日の午前3時50分、花さんは友人にこうLINEで嘆いていた。

〈過呼吸みたいになって、それでもカメラ回されて、、やっと落ち着いたので今から寝ます ぴえん〉

〈12時前に寝る予定だったのに、、〉

〈本当に辛い〉

「プロレスラーらしく振舞えって……」

 YouTubeに未公開映像が公開された翌日の5月15日、花さんは、響子さんと共に、祖母の誕生会を開いた。

5月15日に祖母(右)の誕生会

 その帰り道、響子さんは花さんを自宅まで車で送る。すると助手席に座る花さんが涙を堪えていた。響子さんは車を止めて娘と向き合った。

 花さんはこう語り始めた。

「テラハに出た当初からプロレスラーらしく振舞えって……。1のことを100にして盛り上げて欲しいって言われて。コスチュームの件はスタッフにめっちゃ煽られた。『いいじゃん、あんな奴、ビンタぐらいしたらいいじゃん』って。盛り上げなきゃと思ったけど、プロレスラーとしてビンタはさすがにできないから、苦しまぎれで帽子をはたいたの。スタッフは信用できないよ」

 響子さんが振り返る。

「この時、初めて花からテラハの話を聞き、撮影現場で想像以上のことが起きていると驚きました。花の不注意もあってコスチュームが縮んだことは事実ですが、スタッフが『ビンタしたら』って……。花の言動を炎上の燃料に使っているのは明らかでした」

 そしてついに5月18日には、地上波のフジテレビで第38話「コスチューム事件」が放送される。Netflix会員ではない視聴者も加わり誹謗中傷はさらにヒートアップ。花さんは放送中、友人に〈テレビつけたらちょうど私がブチギレてた〉とLINEで伝えこうつぶやいていた。

〈これでまた炎上するんだろうな!〉

〈これで炎上して話題になって製作陣は満足かな〉

〈ビンタしなくてよかった〉

 翌19日、響子さんは花さんに手作り弁当を届けた。これが娘との最後の別れとなるとは、母は思いもしなかった。

「花が待ち合わせ時間に遅れたので、思わず『遅いよ!』と怒ってしまったんです。今思えば、元気がなかった。なんで怒っちゃったんだろう……。でもあれが最後のお別れになるなんて、全然頭になかったんです……」(響子さん)

〈ママごめんね。もう頑張れない〉

 そして5月23日午前3時16分。響子さんに一通のメールが届く。

〈ママごめんね。もう頑張れない。ずっと辛かった。ママ、幸せに生きてね〉

 響子さんが明かす。

「すぐに『とりあえず電話して』と送ると『ママごめんね』と一言返ってきただけで連絡がとれなくなった。

 すぐに救急車を手配して、タクシーで自宅に向かうと、遺書のようなメモがあり、〈迷惑かけてごめんね。ありがとう。みんな幸せに生きてね〉って……」

葬儀で花さんをみつめる響子さん

 花さんは、1997年、響子さんとインドネシア人の父親との間に生まれた。

「私がアジア一周旅行をしている時にパパと出会い、花を授かった。20歳で花を産んだんですけど、周りが『花ちゃん可愛い』って甘やかそうとする。私が厳しくしないとこの子は甘ったれになると思い、厳しく育てました」(響子さん)

 夫とは1年あまりで離婚。シングルマザーとなった響子さんの生活は苦しかった。

「花が小さい頃はお金がない時期もあった。電気が止まって部屋中真っ暗になった時はクリスマス用のローソクを引っ張り出しました。それなのに花は『ローソクの日だ!』と喜んでいました。底抜けに明るい彼女の性格に何度も助けられました」

 花さんが5歳の時に、響子さんはプロレス団体に入門する。

「試合会場では周りのレスラーやファンが面倒をみてくれました。最初は、『友達はディズニーランドや動物園へ行くのに何でプロレスなの?』と不満顔でしたけど、次第に声援をくれるようになった。私がヒール(悪役レスラー)をやり始めた当時は、自宅で仁王立ちして『なんであんなずるいことするの』って怒られた(笑)。『ママはアンパンマンと対決するばいきんまんなんだよ。そういう人がいないと面白くないでしょ』って説明しました」

 小学校にあがると、花さんは『ハーフ』であることを理由に差別を受けるようになった。友人関係もうまくいかない時期が続いた。

「花は日本の女の子特有の駆け引きが苦手で。仲が良いと思っていたら裏で陰口を言われて、よくショックを受けていた。それでも高校時代、『ハーフの会』という集まりに加わり同じ境遇の友人が何人もできると、『みんな主張が激しいから私も言えるんだよね』と居心地が良さそうでした」

 18歳の時、花さんは大きな決断をする。響子さんの勧めで女子プロレスの道に足を踏み入れたのだ。

「高校生の頃はモデルやダンサーをやりたいと活発に動いていた時期もありましたが、どこかエネルギーを持て余しているようでした。その時から『この子、プロレスに向いてる!』と思っていた。最初は興味なさそうでしたが(会場の)売店を手伝うようになってから『プロレス面白いね』とキラキラした目で見るようになりました」

 花さんは母を追うようにヒールの道へ。今年1月4日には東京ドームのリングに上がるなど将来を嘱望されていた。

「私と同じ道に入ったことで、母娘というより先輩・後輩、ライバルという関係性が色濃くなった。私もベタベタしないし、他の子よりも厳しく接していました。それで花が『見返してやる』となって欲しかったんです。ただ今思えばもっと褒めてやればよかった……。

 今年は『花の時代が来る』って言われていたんです。後輩の面倒をよくみていたし、自分が先頭に立って、盛り上げていかなくちゃという自覚が出てきたところでした」

部屋には見張り役が常駐

響子さんの引退興行で“対戦”した

 かつてモデルを目指した彼女にとってテラスハウスは「憧れの番組」。オーディションを受け入居したのは昨年9月のことだった。

「10代の頃から花は観ていました。ただ出演を決めたのはプロレスを広めたかったからです。実際に試合会場で『テラハを見て初めてプロレスの試合を観た』というお客さんに声をかけられたときは本当に嬉しそうだった。出演当初はいきいきしていて『スタッフさんがいい人なの』と話していました」

 フジテレビが企画制作する「テラスハウス」は、2012年、深夜枠で放送スタートすると人気が爆発。15年からNetflixで世界190カ国で配信されている。

 番組の生みの親で、チーフプロデューサーのフジテレビ・太田大氏はメディアの取材に「台本も指示も一切ない」(共同通信、2015年)と胸を張る。

「例えば、ヒール的なキャラクターがいかにもヒール然と描かれるのが通常のリアリティーショーだとすれば、『テラスハウス』はもっとリアルな、ドキュメンタリー性を重視している」(『ザテレビジョン』18年7月18日配信)

 花さんが初めて登場したのは19年10月22日配信の第20話だった。

 番組内で花さんは、「今は(周りが)全員女子で、恋する機会がなくて。ステキな恋を探しに来ました」と入居理由を説明していた。同居人のバスケットボール選手との初対面では照れて顔を覆いSNS上では「素直で可愛い」と好意的なコメントが並んでいた。ただ、出演を重ね、同居人女性に口論をふっかけるシーンが複数回にわたって映し出されると、「自己中すぎる」「私生活までプロレスラーなのかよ」と批判的なコメントが増えるようになった。

 番組内でキャラが確立する一方、「やめたい」と周囲に漏らすようになった。

 別の友人が花さんの素顔を明かす。

「『テラハ』では自己主張ばかりで人の話を聞かないというキャラでしたけど全然違う。私は彼女より5歳年上なんですけど、よく相談に乗ってもらっていました。人の気持ちを考えられる本当に心優しい子です。10年近く付き合っていますが、ケンカして手を出す場面を見たことは一切ありません」

 響子さんが証言する。

「花は私たちに『年内には辞められるから心配しないで』と最初は言っていました。でもいざスタッフに辞めたいと申し出ても『目立つキャラの人が入るまで待って』『花ちゃんがいると視聴率が取れるから』と引き留められたと聞きました」

 長年の友人が続ける。

「昨年11月頃には卒業したいと言っていました。SNSの誹謗中傷で精神的に参り、体力的にもキツそうでした。部屋には見張り役のスタッフが常駐し、撮影のために夜中3時まで同居人とお酒を飲まされたことも。『朝まで撮影で全然眠れない』と言い、プロレスの練習に寝坊して遅刻することもあった。テラハのギャラの取り分は毎月10万円。撮影用に友人と食事をしても自腹だったそう。3月頭頃『やっと出られることになった!』というので安心していたんです」

 なぜ花さんはスタッフの要求に従い続けたのか。そこには“契約書”の存在があった。花さんがフジテレビと制作会社のイースト・エンタテインメントと19年9月2日付で交わした「同意書兼誓約書」だ。

 A4・5枚・28項目にわたり、「前科・前歴や性風俗産業に従事したことがないこと」、「交際している相手が存在する場合は速やかに告知すること」、「写真週刊誌などの雑誌に口外しないこと」という文面が並ぶ。また、「リタイア」つまり番組卒業は番組の指示・決定に従うことになっている。

 特に目を引くのが「演出指示に従う」という次のような一文だ。

〈私は、本番組収録期間中のスケジュールや撮影方針(演出、編集を含みます。)に関して、全て貴社らの指示・決定に従うことを誓約します〉

 労働問題に詳しい生田秀弁護士が指摘する。

「契約に違反し、放送が中止になった場合、放送回分の制作費を最低限とする賠償額を請求するとありますが、これは数百万、数千万円単位の金額となるはずです。つまり番組の指示・決定に従わなければ、巨額の損害賠償が発生する可能性があり、出演者が演出を含めて番組の意向に背くことは現実的に難しい。『台本なしに自由に暮らす』という番組の看板に偽りがあると認めるようなものです。出演者の意志でリタイアできないなど対等性を欠く点もあり、非常に拘束性の高い契約と言えます」

フジテレビとの契約書

 実は、小誌が「テラスハウス」のやらせ問題を報じるのは今回が二度目だ。

 14年6月5日号でも「内部告発「『テラスハウス』は牢獄です!」」と題して、「やらせ」や「セクハラ」疑惑について報じている。そこでは番組スタッフがメンバーに「こんなセリフを言え」「このメンバーと恋愛関係になれ」と強要したという証言を掲載した。

 そしてフジは、同年9月で番組を打ち切っている。

「フジは数少ないヒット番組を終わらせたくないという思いがあった。翌年、ほとぼりが冷めたとみて、Netflixとタッグを組み配信コンテンツとしてカムバックさせたのです。当時のディレクターや演出家は、今シーズンも担当していました」(フジ関係者)

 事件直後、フジ側から、花さんが所属するプロレス団体の親会社「ブシロード」を通じて、響子さんに説明があったという。

「フジ側から『花さんと話して全部納得いくようにやりました』『テラスハウスを辞めたいっていう話は聞いたことがありません』と、ウソとしか思えないようなことばかり言われました。ブシロードに番組側の検証を促すよう協力を求めても『後ろ盾になるなんて迷惑でしかない』などと言われ、追悼興行やメモリアルグッズの話しか出てこなかった。藁にもすがる思いだったのに裏切られた気持ちでした」

 当事者たちはどう答えるか。ビンタの指示をしたという番組ディレクターを直撃した。

――やらせはあった?

「ちが……あーそれ、ちが……」

――指示がなかったと言い切れる?

「いや、言い切れないとも僕は言っていない」

 やらせがあったかどうか言葉を濁し、「フジテレビに聞いてください」と繰り返すのみだった。

フジ遠藤社長を直撃すると

 

 フジテレビの遠藤龍之介社長に尋ねた。

――テラスハウスのやらせの報告は受けている?

「だいたいヒアリングは終えましたが、今のところは聞いていないです」

――具体的なやらせ指示を受けたと証言がある。

「バラエティーショーですから段取りとかそれなりの指示はあると思います。それをやらせと思うか、思わないかという部分はあるかもしれませんね」

――記事で事実を提示すればきちんと検証するのか。

「それが(同居人の)残り5人の証言なのか、番組スタッフの証言なのか、過去の出演者の証言なのか。記事を拝見して、もう一回調べなきゃいけないことがあるんだったらやらなきゃいけないと思います」

 改めてフジに書面で質問すると、こう答えた。

「(やらせについて)ご質問にあるような事実はございません。木村花さんからは卒業の意思及びその時期の希望を伺っており、ご本人の考える具体的なプランについても確認しておりました。また、いかなるご出演者に関しましても卒業を無理に引き留めるようなことはありません。(ブシロード社への説明は)ご指摘のような事実はございません。

(契約書の内容について)出演者にはご同意をいただいた上でご出演頂いておりますし、必要に応じてその都度協議しておりますので、一方的という指摘はあたらないものと考えております」

 締め切り直前の6月29日、花さんに帽子をはたかれた小林快さん本人に話を聞くことができた。5月15日に花さんから「ずっと謝りたかった」と電話があったと明かす。

「花から『(帽子をはたいたのは)本心からじゃなくスタッフに煽られた』って聞いた。普段あんな怒り方をする人じゃないからスタッフの指示があったんだと思っていた。花はいつもピュアでまっすぐ。コロナが落ち着いたら会おうって約束していたんだけど……」

 最後に響子さんが語る。

「花の友人やお世話になった方々が『何でも協力します』と言ってくれるのが心の支えです。その一方で、これまで木村花でお金を儲けていた人たちは一斉に逃げていった。大人たちは事件の責任を感じるべきだと思いますし、花と同じ思いを味わう若者が二度と出てきて欲しくありません」

 事件直後、「もっと優しくしてあげられなかったのかな」と自らを責めたという響子さん。だが今、「花のために闘う」と絶望の淵から立ち上がろうとしている。

木村花さん「テラスハウス」出演の経緯

source : 週刊文春 2020年7月9日号

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