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コロナ禍でも純利益は11倍 竹中平蔵パソナは五輪で笑う

THIS WEEK「経済」

森岡 英樹
ニュース 社会 経済
「無観客は納得できない」
「無観客は納得できない」

 人材派遣大手パソナグループが7月15日、2021年5月期の通期連結業績を発表。営業利益は88.5%増の199億円、純利益は約11倍に及ぶ67億円を叩き出した。

「コロナ禍で人材派遣事業こそ減収だったものの、自治体の窓口業務やコールセンター業務など利益率の高いBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスが好調でした。経産省が700億円超で発注した持続化給付金事業も再委託先として受注し、利益に貢献した。最近では、ワクチン接種事業なども各自治体から億単位で受注しています」(銀行関係者)

 それだけではない。パソナには、更なる追い風がある。東京五輪だ。同社は組織委員会のオフィシャルサポーターを務めている。

「5月26日の衆院文部科学委員会で、組織委の布村幸彦副事務総長が『組織委の3分の2の職員は国や都、スポンサー企業などからの出向ですが、残りの3分の1はパソナから優先的に派遣されています』と答弁しました。さらに、広告代理店が一日30万円超の人件費を組織委に請求しているのに対し、下請けのパソナがスタッフを募集する際の日当は約1万2000円に留まることも取り上げられた。五輪での人材派遣事業は“うま味”も大きいのです」(政治部デスク)

 そんなパソナで会長の椅子に座るのは、竹中平蔵氏(70)だ。推定報酬は約5000万円で、都内にタワーマンションを3部屋保有している。パソナにとって、竹中氏の存在は大きい。

「竹中氏は菅義偉首相の有力ブレーンです。過去には産業競争力会議の民間議員として、農業や家事分野での外国人材の活用を訴えてきた。その主張と歩調を合わせる形で菅氏肝煎りの改正入管法が成立し、外国人労働者の受け入れが拡大。パソナのビジネスチャンスは広がったのです」(同前)

 菅政権でも、竹中氏は成長戦略会議の民間議員に就任し、発言力を強めている。7月18日には読売テレビ系「そこまで言って委員会NP」に出演し、「菅総理は(有)観客で絶対やりたかった」「無観客は納得できない」とコメント。番組では「会社(パソナ)の利益は減ったんですか?」と質問され、「あまり増えたり減ったりしない。観客と関係ないですからね」と苦笑いで答えていたが、

「動員されるスタッフ数は減りますから、プラスではありません。ただ、大勢のボランティアが辞退し、その穴埋めをパソナが担いました」(パソナ関係者)

 竹中氏の“政治力”も利用し、パソナは来年度の純利益を更に10.6%増の75億円と予想している。

source : 週刊文春 2021年8月5日号

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