「私は、ここに第32回近代オリンピアードを記念する――」
7月23日夜、東京五輪の開会式で、大会の名誉総裁を務める天皇が開会宣言を述べられた。ところが、隣に座っていた菅義偉首相はなぜか立ち上がらず……。
官邸関係者が言う。
「コロナ対応などが批判される中、首相は何とか五輪を盛り上げ、解散総選挙に繋げていきたい。周囲が中止を進言しても『五輪が始まれば、国民はやって良かったと言うから』と一切耳を貸しませんでした」
そんな菅首相が開幕を目前に控え、強い危機感を覚えたのが開会式だった。
「作曲担当だった小山田圭吾氏の障がい者イジメが発覚すると、すぐさま『辞めさせるべきだ』と組織委に伝えました。武藤敏郎事務総長は『今からでは間に合いません。彼は謝罪文も出しましたし』と抵抗したのですが、結局、辞任に追い込まれた。演出担当の小林賢太郎氏のホロコーストを揶揄したコントが問題視された時も、朝5時前後に秘書官とやり取りし、『クビにしないとダメだ』と組織委に命じました。首相としては、政権浮揚の“切り札”である五輪を成功させるために、リスクはできる限り排除しておきたかったのでしょう」(首相周辺)
そうして迎えた開会式当日。だが、本番が始まる頃には、早くも表情に疲れが見え始めていたという。
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source : 週刊文春 2021年8月5日号