約9時間にわたり送迎バスに放置され、7月29日に熱中症で亡くなった福岡県中間市の双葉保育園に通う倉掛冬生くん(享年5)。痛ましい死から2日後に行われた同園の保護者会で、園で起こっていた過去の“閉じ込め”事案が明らかとなっていたことが「週刊文春」の取材でわかった。
保護者会が行われたのは7月31日の夜のこと。事故当日は、園長がバスから園児全員を降ろしたか確認せずドアに鍵をかけたこと、出欠確認のカードを回収していなかったことなど園側に問題があったことが判明。そこで約80人もの保護者が保育園に集まり、園長が経緯の説明を行った。
会が始まると、不可解な説明に業を煮やした保護者たちは徐々にヒートアップしていく。
園長に対し、「全部(の確認)が出来ていない事ってあります?」「何で気付かないんですか?」などと詰問を続ける。
それに対して、園長は「(確認を)普段からしていないことはない」「噓ではないんです」「冬生くんがいないことは担任は気付いていた」などと弁解をする。
園長と保護者とのやり取りの中で、過去の“閉じ込め”事案についても言及があった。子供を叱る際に、園の倉庫に閉じ込めていたことに対して、複数の親から「ウチもあった」「私の子供も」と同調する発言が飛び交ったのだ。
そこである保護者が「子供が(倉庫に)閉じ込められていた保護者の方って、どれくらいいるんですか?」と参加者全員に尋ねた。すると何と「約20人もの出席者が挙手した」(出席した保護者)という。
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source : 週刊文春 2021年8月12・19日号