特捜部が狙う創価のプリンス 山口「12年代表」が終わる時

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「週刊文春」編集部
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「遠山君は一体どうなってしまうのか……」

 地方に住む創価学会の実力者は、8月13日の朝日新聞1面を読んで思わずこう唸った。〈公明前議員側に数百万円か〉と報じられたのは、緊急事態宣言中の今年1月、深夜に銀座の高級クラブに通っていた問題を小誌に報じられ、議員辞職した遠山清彦前財務副大臣だ。すでに詐欺などで立件された太陽光発電関連会社「テクノシステム」の元顧問らが、日本政策金融公庫の融資を受けたい企業のための仲介をし、遠山氏の秘書に公庫の担当者を紹介するよう依頼。遠山氏側に総額で数百万円の現金を渡した疑いがあるという。遠山氏側が貸金業法違反の共犯になる可能性があるのはもちろん、時の財務副大臣(19年9月~20年9月)が、同省所管で政府が100%出資する公庫への働きかけで利益を得ていれば、あっせん利得処罰法違反も浮上する重大疑惑だ。

 関連先として、遠山氏の自宅や自身が営むコンサル会社、別の公明党議員2人の事務所も8月4日に東京地検特捜部に家宅捜索された。頭が痛いのが公明党の山口那津男代表(69)だ。

「衆院選前に公明党側から逮捕者が出れば、その打撃は計り知れない」(同前)

 遠山氏は、外務政務官、財務副大臣など要職を歴任し、未来の代表候補として育てられた創価大学法学部卒のプリンス。「それだけに、遠山氏本人か元秘書が逮捕されれば、山口代表の進退に発展するのは避けられない」(公明党関係者)。

 早くも後継は、石井啓一幹事長か斉藤鉄夫副代表かと囁かれているが、「どちらになっても厳しい」(同前)という。石井氏は「ポスト山口」として昨秋、満を持して幹事長に就いたが発信力に欠け、パッとしない。山口氏は、選挙の実動部隊となる学会婦人部の人気絶大だが、比べるべくもない。ワンポイントリリーフが期待される斉藤氏も、河井克行元法相の選挙区だった衆院広島3区に転出するため、地元に張り付かねばならず、代表として全国を飛び回れない。「捜査が選挙後までずれ込み、衆院選は山口代表で戦えるのが、大打撃の今考えうるベストシナリオです。7月の東京都議選の際も、山口さんが代表でなくなったら選挙はやらない、という婦人部の声は多かった」(同前)。

 お盆に学会の原田稔会長は地方を行脚し、「衆院選まで残り2カ月。コロナ禍でも、まずは幹部が学会員の自宅を回る“内固め”を徹底しろ」と必死でハッパをかけているという。支持率が急落、お膝元の横浜市長選も大ピンチの菅義偉首相だが、公明党と創価学会も、同じぐらい厳しい正念場を迎えている。

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source : 週刊文春 2021年8月26日号

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