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ピクトグラムも3000万で落札 電通最高益の裏にビルと五輪

THIS WEEK「経済」

森岡 英樹
ニュース 社会 経済 企業

 電通グループは8月11日、今年12月期の連結最終損益が1075億円の黒字となり、2001年の上場以来、過去最高益となる見通しと発表した。前年12月期は過去最悪の1595億円の赤字だったことから、V字回復を印象付ける発表となったが、

「汐留にある本社ビルの売却益約560億円や、東京都世田谷区の社員向け運動施設『電通八星苑』、神奈川県鎌倉市の研修所などの売却益約300億円で最終利益がかさ上げされた形です。特に、本社ビルの売却額は推定3000億円と国内の不動産取引としては過去最大規模。テレワークで出社比率は従来の2割程度に減り、豪華な本社ビルは“無用の長物”となっていました。つまり、決して本業が絶好調というわけではないのです」(市場関係者)

 もう一つ、電通の命運を握っていたのが、東京五輪だ。本誌前号でも「すべての座組みの中心に立つ」と記した内部文書の存在を報じていたように、同社は五輪を契機にビジネスチャンスの拡大を狙っていた。

「国内広告市場が先細る中、14年に組織委員会からマーケティング専任代理店に指名され、電通はスポンサー対応などを担ってきた。五輪ビジネスの売上高は全体の1割は超えている。延期決定前の時点で、代理店関連の収益は1兆円近くだったはずです」(電通幹部)

 ところがコロナの感染拡大を受け、五輪は無観客開催となってしまう。さらに最大のイベントだった開会式を巡っては、電通出身の佐々木宏氏が演出責任者を辞任するなど、同社への批判が高まっていた。

 それでも、曽我有信CFOが先日の決算会見で「世界全体でテレビやネットを通じて見ており、広告市況にはマイナスではない」と語っていたように、一定の利益を確保した模様だ。

「例えば、代々木公園のライブサイト会場の運営も電通が億単位で落札していたものの、コロナ禍で中止になりました。しかし、同じ場所で行うワクチン接種会場の運営も電通が落札していた。細かいところでは、開会式で話題となったピクトグラムの開発も電通が約3300万円で落札した。電通が五輪で“うま味”を得る仕組みが張り巡らされていたのです」(電通関係者)

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source : 週刊文春 2021年8月26日号

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