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アンミカ夫に助成金“不正受給”疑惑 ご意見番モデルは詐欺官僚に「バカタレ!」

「週刊文春」編集部
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結婚10年目を祝うアンミカとミラー氏(インスタグラムより)
結婚10年目を祝うアンミカとミラー氏(インスタグラムより)

「ほんまに大バカタレ!」

 今年6月、経産省のキャリア官僚2人がコロナ関連の給付金を騙し取った事件について、「バイキングMORE」(フジ系)で怒りを爆発させたのはモデルのアンミカ(49)である。だが、彼女の身近でも……。

「バイキングMORE」(フジ系)より
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 パリコレにも出演したモデルながら、ワイドショーなどで歯に衣着せぬコメントを連発するアンミカ。7月8日の「情報ライブ ミヤネ屋」(日テレ系)では、四度目の緊急事態宣言に際し、菅政権を「頼りない」「メリハリのきいた政策を」とバッサリ斬っている。

「“浪速のおばちゃん”キャラとして、不倫から政治まで鋭く突っ込み、今やその発言が頻繁にネットニュースに上げられるご意見番に。『バイキング』などのレギュラーの他、明石家さんまやダウンタウンにも好かれ、バラエティにも引っ張りだこです」(芸能記者)

 そんな彼女は韓国人の両親の元に済州島で生まれ、大阪で育った苦労人だ。

「5人きょうだいの真ん中で、高1からモデル事務所に所属。その一方で朝は新聞配達、夜は喫茶店やパン屋でアルバイトをして家計を助けていた」(同前)

 高校卒業後にパリへ移住。20歳でパリコレに初参加し、ファッションショーに出演しながら、タレントとして活躍の幅を広げていく。

 私生活では交際した“国際スパイ”に騙され、貯金を全部失ったが、38歳で運命の出会いを果たす。相手はアメリカ人実業家のセオドール・ミラー氏(50)。

「アンミカが出演するバラエティ番組のスタッフを招いたゴルフコンペをミラー氏が開催。一緒に回ったミラー氏が一目惚れして交際が始まり、2012年7月に入籍しました」(同前)

 ミラー氏の経歴は、まさに華麗そのものだ。

「ニューヨーク出身で父親はゼネコン経営者、母親はハーバード大の教授であり画家。兄は『マネーボール』などで知られるハリウッドの映画監督ベネット・ミラーです」(同前)

 93年にニューヨーク大学を卒業後、電通に外国人初の新卒採用として入社。29歳でライブドアの社長に就任し、05年からイベント制作会社「エンパイアエンターテイメントジャパン」(以下、エンパイア社)の社長を務めている。

「週5勤務」のはずが……

 エンパイア社の従業員は30人ほどで、年間売上高は15億円(20年12月期決算)。主な業務内容はイベントの企画制作だが、

「例えば、ある企業が新商品を開発して、その宣伝のために期間限定の路面店を開きたいとする。そこでエンパイア社が登場し、そのイベントの企画、設営、撤去までを請け負うのです。主な取引先には電通やソニー、グーグルなどがあります」(エンパイア社関係者)

 経営にアンミカは関わっていないが、コロナ禍前は港区のオフィスに顔を出すこともあったという。

「会社の仕事は、アンミカさんの人脈で助かっている部分も少なからずある。例えば大きなイベントで歌手のCrystal Kayに歌ってもらったり、石田純一の娘のすみれにも登場してもらったりしました」(同前)

 業務上、出張も多く、ハードワークだというが、

「裁量労働制でタイムカードもなければ、パソコンのログインで勤怠管理をすることもありません」(同前)

 ところが、コロナの感染拡大によってイベントは激減。元社員が語る。

「昨年の3月末頃からリモートワークが始まり、4月からは勤務日数の削減が言い渡されたのです」

 週2日を休業日とし、その日は「職業訓練のオンライン講座の動画を見るように」と上司から指示された。

「でも実際は“休業日”も仕事が詰まっていて休めず、動画を見る時間も作れなかったんです」(同前)

 しかし会社側は、「早送りしてもいいから、視聴後にダウンロードできる受講証明書をとにかく提出して」と要請してきたという。

 元社員は不審に思いながらも従ったが、後に気付いたのが「雇用調整助成金」(雇調金)の存在だった。

「企業が従業員に支払う休業手当の一部を国が補助する制度です。昨年4月以降、コロナによる特例措置で、中小企業には全額が助成されるようになった。1人あたりの上限額は一日1万5000円。従業員に動画研修やオンライン研修などで教育訓練を受講させた場合には、2400円が加算されます」(厚労省担当記者)

 元社員はこう疑う。

「会社は雇調金をフルに受給するため、休業して動画を見るよう、半ば強制してきたのではないでしょうか」

 加えて、「もっと大きな問題があるんです」と別の元社員が証言する。

「緊急事態宣言が明けて、7月からは『通常の業務に戻します』と会社からアナウンスがあり、週3勤務から週5勤務に戻ったんです。6月から全社員の給料が8~15%減らされましたが、普通に働けることが嬉しく、精一杯働きました」(同前)

 実際にエンパイア社のホームページにも、7月には「朝日新聞ボンマルシェ」主催のオンラインイベント、8月には「JWマリオット・ホテル奈良」のブランドビデオ制作など、数々の“実績”が掲載されていた。

HPから仕事実績を削除

 ところが――。

「週5勤務に戻っていた7月の給与明細を見ると、休業日数が『21』、8月と9月には『20』と印字されていたんです。寝る間を惜しんで働いていたのに、帳簿上では休んでいたことになっている。これで会社が助成金を受け取っていたのなら、不正行為にあたるのではないでしょうか」(同前)

エンパイア社元社員の給与明細

 小誌は複数の元社員の給与明細を入手。休業日数の水増しが1人ではないことを確認している。

 当のミラー氏はどう答えるのか。電話で直撃した。

――雇用調整助成金をもらっているか?

「ごめんなさい、取材なら会社に連絡してください」

――不正受給が疑われる。

「会社に、連絡を入れてください」

 改めて会社に取材を申し込むと「雇用調整助成金は政府の定めたルールに則り正しく申請し受給しております」と書面で回答し、助成金を受給している事実を認めた。休業日数の改ざんについては、「現在、社内において事実関係の調査を行っております」と答えた。

 雇調金の不正受給に詳しいデイライト法律事務所の杉原拓海弁護士が解説する。

「雇調金を受給するためには、従業員の給与明細も休業の“証拠”として労働局に提出する必要があります。その数字が改ざんされていたとすれば、不正受給が疑われます。労働局が不正と判断すれば、受給した雇調金の全額返済のみならず、以後5年間は助成金の受給が禁止される。悪質と判断された場合には、刑事告発される可能性もあります」

 アンミカに夫の会社の疑惑について見解を聞くと、事務所を通じてこう回答。

「(不正受給が)もし事実であるならば、あってはならないことです。然るべき手順で、きちんと疑惑を払拭するべきです」

 冒頭に紹介した“給付金詐欺官僚”へのアンミカの発言はこう続く。

「一番腹立つんがね、給付金の手続きがより厳正になっちゃって、遅れる人が増えてくることが腹立つのよ。ほんまバカタレ!」

「通販番組の女王」の異名も持つ

 小誌の取材後、エンパイア社はホームページに掲載していた昨年7~9月の仕事の“実績”を突然削除した。ミラー氏に妻の言葉はどう響いているのか。

source : 週刊文春 2021年9月16日号

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