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小澤家“不協和音の戦慄” 桑子アナ・小澤征悦 父・征爾の前で指輪交換できない

「週刊文春」編集部
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桑子アナと征悦
桑子アナと征悦

 俳優の小澤征悦(ゆきよし)(47)とNHKの桑子真帆アナ(34)が9月1日に入籍した。この日を選んだのは、父・小澤征爾氏(86)の誕生日だからというのだが……。

 
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 雄大な北アルプスを望む信州の「岳都」松本市。例年、町をあげた音楽イベントが行われることから「楽都」の別名もある彼の地に、征爾氏が介護車両で到着したのは8月31日の午後。トレードマークの赤いキャップにスニーカーも赤で揃えているが、その足で歩くことはない。

「市内のホールで行われた『セイジ・オザワ松本フェスティバル(OMF)』のリハーサルに立ち会うために、東京の自宅から高速で、4時間近くかけていらしたそうです」(音楽祭関係者)

 体調は決して万全とはいえず、移動はスタッフが押す車いす。体の自由がきかないため、車を乗り降りするときはストレッチャーが用意されていた。

 征爾氏は、昨年も聖路加国際病院に入院するなど闘病生活を重ねている。長距離移動はかなりの体力を消耗する“強行軍”だった。

「コロナ禍で長野県全体に緊急事態宣言と医療非常事態宣言が発出されており、県をまたいで移動することに少なからぬスタッフが不安を抱いていた。オーケストラのメンバーからも『なぜそんな無茶を』と懸念の声があがっていた」(同前)

 翌日は、前述の通り征爾氏の誕生日だった。

「征悦さんは、尊敬する父の誕生日に籍を入れることに以前から強いこだわりを持っていました。コロナ禍で挙式こそかなわなかったものの、9月1日当日に、征爾さんの目の前で、桑子さんと結婚指輪を交換することを希望していたといいます」(征悦の知人)

 だが、征爾氏が東京を離れたことで、希望は叶わぬものとなった。

「コロナの感染拡大に細心の注意を払い、都内でも不要不急の外出を避けていた征悦さんは、征爾さんが松本に行くことにも反対の立場を取っていた。征爾さんの妻・ヴェラさんも同様で、現地にも同行していません。唯一、征爾氏の意向を支持したのが長女の征良さん(49)で、家族間で意見が対立。征悦さんは征良さんから、征爾さんの面前での指輪交換を望むならば松本にくればいい、と突き放すように言われたそうです」(同前)

征良さんの著書は02年にはベストセラーに

 02年にベストセラーになった『おわらない夏』などの著書もあるエッセイストの征良さんは、征爾氏率いるサイトウ・キネン・オーケストラの代表でOMFでは征爾氏の意思を代弁する役割を果たしている。

「征良さんは、他の家族とともに征爾さんの個人事務所『ヴェローザ・ジャパン』の代表取締役に就いていますが、いっそう強い発言権を持つようになったのは今年2月に設立された一般財団法人サイトウ・キネン・オーケストラ財団の評議員に就いてから。征爾さんのスケジュールや仕事のすべてを掌握し、ヴェラさんですら口を出せずにいる」(小澤家の知人)

 自宅のベッドで休む征爾氏を挟んで、征悦とヴェラさん、征良さんが口論になったこともあるという。

「征爾さんはいま言葉を発することがほとんどできない状態で、家族の“不協和音”を黙って見ていることしかできずにいる。周囲も『こんな状況では征爾さんがゆっくりできない』、『よくなるものもよくならない』と困惑しています」(同前)

 征爾氏にとって、この十数年は病との闘いの日々だった。2010年に食道がんの手術を受け、11年には持病のヘルニアを手術。約1年間の休養を経て活動を再開したが、15年には腰の骨を折る大怪我を負い、18年には大動脈弁狭窄症の手術。近年は本格的な音楽活動から遠ざかっている。

「昨年、聖路加に入院した際は、一時、危険な状態に陥りICUに入る寸前でした。本人が自宅で家族と暮らすことを望んだため、医師の許可を得て、看護態勢を整えた上で自宅療養に移行しています。入院前はリハビリをかねて毎日10分程度の散歩を日課にしていましたが、最近はほとんど外出していません」(同前)

 征爾氏の会社は世界的に活躍していた頃には年間8億円近い売り上げがあったが、近年はOMFと、オペラを通じて若い音楽家を育成する「小澤征爾音楽塾」の監督料がメインだ。

「作曲家のような印税収入がないため、実演家は現場に出ない限り、収入を得られない。征爾さん自身は金銭に無頓着で、普段から財布も持ち歩かないような人ですが、スタッフや家族を養わねばなりません。OMFは92年から続く小澤さんのライフワークで、松本市と長野県からそれぞれ1億円以上が拠出され、文化庁の補助金も出る一大事業。手放すわけにはいかないのでしょう」(レコード会社関係者)

「松本に来て行うように」

車いすで会場入りする征爾氏

 ただ、今年のOMFを巡っては紆余曲折があった。昨年に続き、今年も一度は全公演の中止が発表された。チケット購入者に抗原検査キットを郵送するなど可能性を模索したが、苦渋の発表は直前の8月24日。征爾氏も「心が張り裂けそうだ」とのコメントを出した。ところが27日には一転、無観客で1日限りの公演を行い無料配信することが決まった。指揮者には盟友、シャルル・デュトワ氏を招聘し、征爾氏も総監督として立ち会うことになった。

 9月3日、無観客公演の場に居合わせた音楽評論家の東条碩夫氏が言う。

「小澤さんが客席にいるだけでオーケストラは活気付き、会場の空気が引き締まる。タクトを振らずとも存在するだけで演奏に息吹を吹き込んでいました」

 征爾氏は、久々に触れるオーケストラの演奏に涙を流していたという。

 こうした経緯で、征悦と桑子アナの征爾氏の眼前での結婚指輪交換は、かなわぬ夢となったのだった。

 征良さんはメールで、概ねこのように回答した。

「松本行きは数カ月前からの音楽家としての本人(征爾氏)の極めて強い希望によるものです。

 父の誕生日に弟(征悦)が入籍をしたい、それも父の目の前で指輪交換をしたい、という希望は弟から直に聞いて知っておりましたので、私もそのことにはもちろん反対したことはありません。父が松本行きをかねてから希望しておりましたので、是非とも松本に来て行うよう弟に勧めました。最善の方法を薦めたと思っております」

 とはいえ、NHKでは緊急事態宣言下、局員に県外への移動について注意喚起し、上司の許可を必須条件としている。特に「おはよう日本」で毎朝6時からニュースを読みあげている桑子アナが松本に赴くことは、事実上、不可能だった。

 一方、征悦の所属事務所に指輪交換の件や家族間の溝について尋ねたところ、社長が征悦に聞き取りした上で、こう代弁した。

「(征悦の)個人的な考えとして、体調を考慮して松本に行くのはやめた方がいいんじゃないかとアドバイスをしたのは事実ですが、引き止めるつもりはなく、あくまでも父の意向を尊重しています。9月1日に両家の家族が集まって記念撮影をしようと提案したことはあるが、断念した理由は緊急事態宣言であり、父の活動(松本行き)とは関係ありません」

 食い違う両者の回答がハーモニーを奏でることはなかった。

同行した征良さん

source : 週刊文春 2021年9月16日号

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