〈将来の夢は、福祉関係の仕事をする事〉
15歳の少女が卒業アルバムに書き記したのは、希望に満ちた未来予想図だった。それから12年後――。

真夏の面影が残る埼玉県熊谷市の住宅街。家賃約3万円、約20平米の単身者用アパートで宮崎英美(ひでみ)さん(27)の遺体が発見されたのは、9月6日のことだった。

「9月3日午前2時頃、近くのコンビニで買い物をしている姿が店の防犯カメラに映っていたのが最後。部屋の冷蔵庫には手つかずのコンビニ弁当があった。第一発見者は部屋を訪れた知人男性。首には圧迫痕がありましたが、着衣の乱れはなく、無抵抗で襲われた可能性が高い」(社会部記者)
1994年1月、宮崎さんは埼玉県東松山市で兄、姉の3人きょうだいの末っ子として生まれた。両親は幼い頃に離婚。一時期は父に引き取られたが、やがて彼らは熊谷市内の児童養護施設に預けられた。
西に秩父山地、北に赤城山を仰ぐ田園地帯にある古びた校舎。彼女は保護者のいない児童ら約70人とひとつ屋根の下で暮らした。
毎朝6時半に起床し、地元の小学校まで30分以上かけて畦道を歩く日々。だが、登校の時間は宮崎さんにとって恐怖でしかなかった。時折、背後から耳をつんざくクラクションの音が鳴り響くのだ。
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source : 週刊文春 2021年9月23日号