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“気分は闇将軍” 安倍晋三 オフレコメモ「河野は認めない」

新聞・TVが報じない総裁選

「週刊文春」編集部

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退陣から1年、体力も回復
退陣から1年、体力も回復

 総裁選レースを優位に進めてきた河野氏。9月8日昼、訪ねた先は、かつて閣僚として仕えた安倍晋三前首相(66)の事務所だった。

 菅政権の支持率が急落していた8月下旬。この頃から河野氏は、水面下で“安倍詣で”を行っていた。

「総裁選に向けた自著『日本を前に進める』を出版した経緯を直接説明していました」(安倍氏周辺)

 9月3日に菅首相が退陣を表明。出馬を決めた河野氏は冒頭のように、再び安倍氏の元を訪ねていた。

「ただ、安倍氏は自身の政権で河野氏を閣僚で起用しながら、『口ばかりでミスの責任は取らない』『危ういところがある』と批判してきました。エネルギー政策でも、原発推進派の安倍氏と脱原発派の河野氏は真逆。さらに、皇位継承問題でも考えは食い違う。安倍氏は男系維持に強い拘りを持っていますが、河野氏はかつてブログなどで女系天皇を容認する姿勢を示していました」(同前)

 だが、この日の河野氏はいつもと違った。殊勝な表情でこう説明したという。

「安全が確認された原発の再稼働は必要です。女系天皇を容認すると言ったことはありません」

 安倍氏はその場では受け流したものの、周囲に、

「あぁ、河野は認められないね」

 などと、呆れた顔で語るのだった。

「保守政治家を自任する安倍氏としては、特に皇位継承問題での“軽さ”は受け入れ難かったようです。危機感を覚えたのか、河野氏は10日の出馬会見で珍しくブルーリボンバッジを付けていた。これも、拉致問題に力を注ぐ安倍氏へのアピールでしょう。ただ、安倍氏からの評価は辛いままです」(前出・安倍氏周辺)

 自らの意に沿わない“河野首相”の実現を防ぐために安倍氏は今、高市氏支持を鮮明に打ち出している。

「安倍氏の狙いは、岸田首相の誕生です。まず1回目の投票で、河野氏の過半数獲得を防ぐ。党員票の割合が減る決選投票で、岸田氏と高市氏の2位・3位連合を組む。自身が12年の総裁選で石破氏を逆転したのと同じ戦略です。岸田首相なら、影響力を行使できる。“闇将軍”として君臨し続けられるのです」(同前)

 ところが、イマイチ派閥が動かない。

「安倍氏も『派閥がガタガタだね』と嘆いていました。そこから、一気に派内を締め直した。さらに他派閥にも手を出して高市選対に送り込みました」(同前)

 だが事態は、安倍氏の目論見と逆に進みつつある。 

「“反河野”が露わになったことで、河野氏は安倍氏の天敵・石破氏に接近した。裏にいるのは、菅首相です。菅氏は退陣表明直前に政調会長起用を検討したほど、石破氏との関係は悪くない。河野・石破連合で、河野氏が1回目から過半数を奪えば、キングメーカーは菅氏になる。安倍氏は反主流派に追い込まれかねないのです」(政治部デスク)

 安倍前首相vs.菅首相。総裁選はキングメーカー争いでもあるのだ。

安倍政権で外相も務めたが……
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source : 週刊文春 2021年9月23日号

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