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石破茂 元側近が語る「なぜ君は総理大臣になれないのか」

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「週刊文春」編集部

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5度目の正直とはならず
5度目の正直とはならず

 曖昧な態度を取り続けた末、総裁選不出馬を決めた石破茂元幹事長(64)。なぜ君は総理になれないのか――元側近たちが語った。

 過去3回、石破氏の推薦人に名を連ねたものの、今回は岸田氏支持を表明した中谷元元防衛相が嘆く。

「岸田さんは、菅総理の退陣表明前に挑戦を宣言した。迫力と気概がある。一方で石破さんは総理が退陣を決めた後ですら、意思表示をしなかった。総理を目指すなら、やるならやる、という姿勢を見せるべき。そもそも派閥の足元を固めないと戦いにならないのでは」

 竹下派ながら石破氏を支持してきた三原朝彦衆院議員も、煮え切らない石破氏に「だからダメなんだ、もう岸田を支持しろ!」と怒りをぶつけていたという。

「振り返れば、石破氏が最も総理の椅子に近付いたのは、12年の総裁選でした。安倍氏に逆転されたものの、1回目の投票では首位に立った。翌13年には、石破氏を支持する議員らが無派閥連絡会を結成。15年の総裁選で安倍氏の無投票再選を許した後、石破氏も派閥『水月会』を立ち上げたのです」(元側近議員)

 だが、元水月会のメンバー、石崎徹衆院議員は言う。

「15年の総裁選に出ていれば、石破先生は総理になっていたと思います。皆、戦闘意欲満々でしたが、ご本人がはっきりせず出馬しなかった。そうした石破先生のタイミングの見極め方を見て、多くの人が派閥に加わらなかったんです」

 実際、無派閥連絡会は約40名だったが、水月会に参画したのは20人。しかも、そこから数は更に減っていく。17年の都議選を機に水月会を脱会した若狭勝元衆院議員が語る。

「総理になるには、どっしり構える『父性』と、包容力のある『母性』の両方が必要ですが、石破さんには母性が足りない。私が離党した時、石破さんは『自民党を出ると寂しい。孤独だよ』と言うだけでした」

 四度目の挑戦となった昨年の総裁選も、菅首相に惨敗。石破氏は責任を取って派閥の会長を辞任した。

 石破派議員が呆れる。

「昨年の総裁選後にバラバラになりかけたのを、皆どうにか踏ん張りました。なのに、石破さんは派閥をまとめようとしなかった。それでも今回も石破さんが出るのなら、応援するはずでした。ところが、ずっと煮え切らない態度を取り続けた。もう信用できません」

 こうした元側近たちの声に石破氏はどう答えるか。

――なぜ、総理になれない?

「話は簡単。国会議員の支持が少ない、と。国民の皆様方や、ほとんどの自民党員は直接利害に関係することはない。しかし国会議員は選挙で応援してもらえるとか、役職がもらえるとか、色んな利害関係がある。そうなると乖離が出るのは、当たり前の話。私が言うべきことを言わなければ、国会議員は安心するでしょうよ。でも国民の期待は急速に薄れるでしょう。逆相関みたいなところがある」

――総理になるために、我慢すべき部分もある?

「そうかもしれません。もっと仲間とメシ食えとか酒飲めとか言われるんだけど、メシ食ったら変わるかっていうと、そう簡単なもんじゃないんだよね」

 変えられない男は今回も、総理になれなかった。

15年に派閥「水月会」を結成
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source : 週刊文春 2021年9月23日号

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