じっとりと蒸し暑い9月の深夜、東京・晴海の五輪選手村は静まり返っていた。解体作業が続くフェンスの脇には、煌々と明かりが灯る一軒のホテル。五輪組織委員会の関係者らが最後の夜を過ごす宿舎前の路肩へ、若い女性を乗せた軽自動車が滑り込んできたのは日付が変わる間際のことで――。
9月5日、パラリンピック閉会式を前に会見に臨んだ組織委の橋本聖子会長は、コロナ禍での開催に「やってよかったと思ってもらうには、組織委員会の大会後の振る舞いも重要だと考えている」と述べた。
ところが――。
選手村入り口近くにある「ホテル マリナーズコート東京」。組織委はこのホテルを今年7月1日から9月10日まで借り上げていた。
「オリパラの期間中、ここでは選手の記者会見が開かれていました。出入りできるのは組織委の広報局や警備局の一部スタッフのみ。彼らは約3カ月間、ホテルに泊まり込み、公式SNSで発信する会見や試合などの動画の編集をしていた。セキュリティゲートが設置され、部外者の立ち入りはできないように管理は厳重でした」(ホテル関係者)
だが、組織委関係者がため息まじりに語る。
「高いセキュリティのお陰でホテル内は治外法権状態。中の人は緊急事態宣言を気にする様子もなかった」
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source : 週刊文春 2021年9月23日号