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五輪ドラえもんバッジを…転売ヤーはテレ朝社員だった

「週刊文春」編集部
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〈《レア品》ピンバッジ ドラえもん 東京2020 非売品 メディアピン〉――。

 お値段は2万8900円也。つい最近までメルカリで販売されていた商品だ。

「これを転売して小遣い稼ぎをしているのは、うちのスポーツ局局員のようなんです」(テレビ朝日関係者)

メルカリで売られていた

「テレビ朝日スポーツ局」といえば、先日も警察沙汰になったばかり。

「緊急事態宣言中の8月8日深夜に、五輪の打ち上げを決行。6人のスポーツ局員が参加し、酔った局員の一人が帰ろうとした際に2階から転落し骨折、全治半年の大怪我を負った。警察も出動する大騒ぎだったのに、6人の処分はわずか10日間の謹慎で『甘すぎる』との声が漏れていた」(同前)

 スポーツ局で今度は何が起きているのか。商品説明の欄には確かに〈関係者のみ手に入る大変貴重なピンバッジです〉とある。

「このピンバッジはテレ朝スポーツ局の経費で製作され、限定3000個の非売品。海外メディアや選手に配布するためのもので、ドラえもんがあしらってあるため、関係者の間でも評判の品。でも、スポーツ局の人間なら、関係者に渡すふりをして持ち出せる」(同前)

 内部で転売ヤーの存在が噂になり、犯人としてA氏とB氏の名前が浮上した。スポーツ局関係者が明かす。

「A氏はフィギュアスケートを担当する中堅のプロデューサー。A氏と仲良しの後輩・B氏は体操を担当するチーフディレクターです。2人とも五輪においてはNHKと民放各局で構成するジャパンコンソーシアム(JC)に派遣され、国際映像の制作に携わっていた」

 露見したきっかけとは。

「2人とも妻のアカウントを利用していた。A氏の妻のアカウント名に彼の愛犬の名前が入っていたので、もろバレでした」(同前)

 ドラえもん以外にも、JCのバッジや他局のバッジも出品されていた。両者の今までの販売額を合わせると、判明分だけで約30万円に上る。

 A氏を直撃した。

――ドラえもんのピンバッジをメルカリで販売した?

「僕、メルカリのID持ってないんで、すみません」

――奥様のアカウントで販売されているのでは?

「知らないんですみません」

 B氏も電話で直撃したが、終始「わからないです」と繰り返すのみだった。

 だが――。直撃直後に2つの当該アカウントの名称やアイコンが変えられ、売れ残っていた商品は全て出品を取り下げられてしまった。偶然ではありえないこの行動が、何よりの証拠のように思えるのだが……。

 軽い小遣い稼ぎのつもりだったのかもしれないが、原田綜合法律事務所の原田和幸弁護士はこう解説する。

「転売目的で会社のものを持ち出した場合は窃盗罪の、あるいは、当初は配布目的で後から販売目的に変わった場合は占有離脱物横領罪の可能性がある。前者の場合は十年以下の懲役、または50万円以下の罰金。後者の場合は、1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料となる」

 テレビ朝日広報部は「スポーツ局の社員が自宅に持ち帰り、それを配偶者が転売したことは大変遺憾です。当該社員らに対して転売先に販売代金を返金しピンバッジを回収するよう指示するとともに、家族が関わる問題でもあることから弁護士を交え、更に事実関係を精査の上、厳正に対処します」と回答した。

 こんなこといいな♪ と思っても、やってはいけないことがある。

テレ朝の早河洋会長

source : 週刊文春 2021年9月30日号

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